「論語」が教える、いつまでも成長できない【セミナー・ジプシー】に致命的に"欠けている感情"とは

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【出典】第06「雍也(ようや)」篇・第20章句

【書き下し文】子の曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

【現代語訳】先生がいわれた、「知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない。」

「知る」よりも「好む」が大事。否、「好む」よりも「楽しむ」がもっと大事というメッセージだ。一見、「好きこそものの上手なれ」という格言と重ねられそうだが、注意深く味わってほしい。

「楽しむ」は「好き」の上位概念

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孔子は、「好き」と「楽しい」を分けている。好きなことをやる。楽しいことをやる。現代的にはどちらも同じような意味で理解できてしまうが、2つの違いはなんなのか。

端的に言えば、「好き」は「快」だけ、「楽しむ」は「快」も「不快」も含むと解釈してみてほしい。

すなわち、「わかるまで、できるまでの苦労や悔しさ、停滞やストレスも厭わない=フラストレーションという不快=憤悱も含めて楽しめる」ということだ。

だからこそ、孔子は「好き」の上位概念として「楽しむ」を位置付けているのではないだろうか。

「好き」のみを重視した学び、不快を避け、快のみで満足する学びはどこまでも一時的で、その場しのぎ的な「盛り上がり」頼りになってしまう。

どうか「そんな熱はすぐに冷めてしまうのだ」という本質を自覚したうえで、昨今のエンタメ化された学びと適切に付き合っていってほしい。

浅田 すぐる 文筆家、学習・成長・キャリア支援家

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あさだ すぐる / Suguru Asada

1982年名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学留学。20代はトヨタ自動車の海外営業部門にて米国勤務、グロービス社長室にてWebPR等に従事。30歳を機に独立し、社会人のスキル・キャリア学習を支援。古巣のトヨタ、グロービスをはじめ、電通、資生堂、パナソニック等、登壇実績多数。海外でも中国・カンボジアで登壇。累計受講者数1.5万人超。

2015年『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』で出版デビュー。ビジネス書ランキング月間1位、年間4位を獲得。その後も『頭のいい人の、学びを「20字」にまとめる技術』等ベストセラー多数。全13冊、著者累計61万部超、海外5カ国翻訳。40歳を機に海外教育移住し、現在はマレーシア在住。音声メディアVoicyにて教育や子育て・キャリア上の学び・気づきを放送中。公式メールマガジンは読者数2万人超。10年以上にわたり1500号以上配信を継続している。2025年からnoteブログも新たに開設。

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