実は「相手の本音」を引き出すために必要な時間…カウンセラーだけが知っている【沈黙】の深い意味

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どうして苦しくなるかというと、会話が滞ると、「何を話せばいいのだろう」「話がつまらなかったのかな」「嫌われること言ったかな」「まずいこと言ったかな」など、頭がネガティブ思考に支配されるからです。

沈黙の時間が長くなればなるほど、さらに重苦しい気持ちになり、考えれば考えるほど頭が真っ白になっていきます。

沈黙は相手が「考えている」時間

沈黙が苦しくなるのは、何か話そうとするからです。しかし、聴き手であることを意識すると、とたんにその苦しみから解放されます。なぜなら、沈黙は会話が途切れている時間ではなく、相手が考えている時間だからです。

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沈黙は、「ちょっと長めの間」。ふだんの会話でも、間が空くことはよくあります。お互いの話がかぶせ気味に続くことなんてありませんからね。

ふだんの会話でも何を話そうかと考えたり、相手は何を考えているのだろうと思ったり、感情を落ち着かせようとしたりすると、会話の途中で間が空きます。

つまり、沈黙が訪れたときは、相手は、話したくても話せない状態なのです。

「そのまま伝えていいのだろうか」「どう整理すればいいのだろうか」「どこまで話していいのだろうか」などと自問自答しているのです。心の中に入っていって自分のことをもっと理解しようとしているのです。

本音・本心を引き出したいなら、この時間を利用しない手はありません。ひたすら待ちましょう。そこで聴き手が口を挟めば、相手は邪魔されたという思いになるでしょう。そうなると、「受容」と「共感」で築いた信頼関係があっさり崩れることもあります。

山根 洋士 心理カウンセラー、メンタルノイズ心理学協会会長

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やまね ひろし / Hiroshi Yamane

両親の離婚、熱中していたスポーツの挫折、就職の失敗などを経て、情報誌編集者からノンフィクションライターとして独立。金銭的な成功をつかむものの、激務のあまり過労死寸前で緊急入院。入院生活で「なんのために生きるのか」を模索し、心理療法を学び始める。心の風邪薬のようなカウンセリングを提供したいという想いからカウンセラーになる。実践中心のカウンセリングで一線を画し、8000人以上の悩みを解決。著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)がメンタル本大賞2021優秀賞を受賞。

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