実は「相手の本音」を引き出すために必要な時間…カウンセラーだけが知っている【沈黙】の深い意味
よく訓練されたカウンセラーは、この大前提を心の底でずっと響かせながらカウンセリングを進めていきます。
「答えは必ず相手が持っている」と心の底から思えている、また数多くのカウンセリング経験からも、やはり答えは相手が持っているという確信を得ているからこそ、相手の問題は自分の問題ではないし、相手の問題に深入りする必要もない。
だから、答えは絶対に相手が持っている、というスタンスを維持できるのです。
何より相手の問題を聴き手が解決できないのは、どんなアドバイスをしても、解決策を教えても、実行するかどうかを決めるのは相手だからです。
聴き手にできることは、あくまで自己解決のお手伝い。そのためにすべきことは、「受容」「共感」そして「自己一致」に沿って話を聴くこと。
これができるようになると、会話の最中に相手が自分で答えを見つける場面を目の当たりにすることが増えるでしょう。
相手の「沈黙」には2種類ある
自己一致の段階で、非常に大切になるのが、「沈黙の時間」です。
会話の中で、沈黙ほど怖い時間はないですよね。聴くことを仕事とするカウンセラーの私も、「沈黙が訪れたら、どうしたらいいのでしょうか?」と、よく尋ねられます。
まず、沈黙には、気にならない沈黙と苦しくなる沈黙があります。
あなたにも、沈黙が気にならないときがあると思います。親しい友人や家族などとのふだんの会話なら、お互い話をしていない時間があっても気にならないでしょう。
会話とは、常にどちらかが話していないといけないわけではないのです。お互いに話すことがなくなれば会話がなくなるし、話したいことが出てくれば、また会話が始まる。そのくり返しだと思います。
ところが、相談ごとや悩みごとだったり、相手が初対面やまだ親しくない人だったりすると、とたんに沈黙の時間が苦しくなります。


















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