がん予防のためには「熱い飲み物」を避けるべきか…お茶は基本的に健康な飲料だが飲まない方がいい?

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予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
熱い飲み物は「発がん性物質」です。その根拠をしっかり見ていきましょう(写真:V_Sot/PIXTA)
熱いコーヒーは目を覚ますのにとても良いですよね。でも、熱い飲み物は、何となく喉に悪そうな気がしませんか? 実はこのようなことも研究されていて、IARC(国際がん研究機関)は「とても熱い飲み物(65℃以上)」を発がん性物質Group 2Aに分類しています。
では、熱いお茶は飲まないほうが良いのでしょうか? お茶は健康に良いと言われていることはどう考えればいいのでしょうか?
膨大な研究結果などから効果的な食事を科学的に分析した書『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』を上梓したハーバード大学医学部講師の濱谷陸太氏に、「熱い飲み物」についての研究結果を紹介してもらいます。

熱い飲み物は「発がん性物質」である

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
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「発がん性物質」という言葉は、私達の不安を過度に煽ります。この記事では、熱い飲み物が「発がん性物質」となった背景と、この事実をどう解釈したら良いか解説します。

2016年、WHOの研究機関であるIARC(国際がん研究機関)は、熱い飲み物(65℃以上)をGroup 2Aの発がん性物質と分類し(※1)、熱い飲み物は「発がん性物質」である、という公式な表明をしました 。ヒトでの研究により、熱い飲み物は食道がんのリスクになるという判断です。

Group 2Aには、ヒトパピローマウイルス31型と33型、肝吸虫感染(肝臓に寄生する寄生虫)などが含まれており、発がん性物質の分類としてはGroup 1に次ぐ「おそらく発がん性物質だろう」という分類です。

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