IARCでは65℃以上の熱い飲み物に発がん性がある、と警告しています。これらの根拠となった研究では、どのように温度を測定していたのでしょうか?
上記の紅茶の研究では、「普段どれくらいの温度で飲んでいるか:ぬるい、温かい、熱い、超熱い」という4択の質問をして計測していました。
そして、これがどれだけ参考になるか、65℃/65~70℃/70℃以上のお茶を飲ませ、「これはどれくらい熱い?」と聞いて、この4段階の評価が妥当か評価しました。合致度はまあまあでした。
つまり、65℃という基準は、それほど厳密なものではありません。熱ければ熱いほどリスクになることは間違いないですが、「66℃はだめ、64℃はOK」ということではありません。「65℃以下を目安とした、ほどほどの熱さで飲みましょう」ということがメッセージです。
人にとって、良い感じの温度
2019年には、消費者に最も好まれる温かい飲み物の温度を検証した研究が出版されました(※5)。
この論文では、57.8℃〜71.4℃が好まれる、と結論されました。「熱っ」となって軽く火傷してしまうのが82℃程度とのことです。
スターバックスのマニュアルによると、ホットコーヒーは66〜77℃で販売されるそうです。たしかに、スタバのコーヒーは割と「熱っ」となる人が多いと思います。この熱さは食道がんのリスクが高まる、ということになります。
日本人は自販機でHOTと表示してある飲み物をよく飲みますが、結構熱いものも多いですよね。これに慣れていると、少し冷めていると物足りなさを感じる人もいるかと思います。
では、熱いお茶やコーヒーが好きな人はどうしたらよいのでしょうか。


















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