豊洲公園を過ぎて、しばらく歩くと東京ガスが運営する「ガスの科学館(江東区豊洲6-1-1)」が見えてくる。無料で楽しめる施設だ。入り口の「がすてなーに」の看板が目印だ。数多くの展示物を通してガスの歴史や都市ガスの仕組みを知ることができる。

ガスの科学館を越えて、またしばらく歩くと通りの向こうに「豊洲市場」が、そしてその斜向かいにこの日の最終目的地「豊洲 千客万来(江東区豊洲6-5-1)」が現れる。「豊洲場外 江戸前市場」と名付けられた地上3階の食楽棟には、スイーツ、海鮮、そば、丼物、ラーメンなどなど、60を超える店舗が詰まっている。


紆余曲折あった「豊洲 千客万来」
築地市場の場外は今もにぎやかだが、こちらも負けてない。あたりをうろついた日は休日ということもあって、海外からの客も含め、たくさんの人でにぎわっていた。

今では豊洲市場近くの観光施設としてすっかり定着しているが、ここがオープンしたのは2024年の2月だ。豊洲市場のオープンから5年以上が経過していた。
施設が開業するまでには紆余曲折があった。すしチェーン店「すしざんまい」を運営する喜代村など、計画当初に内定していた事業者が相次いで撤退した。その後、現在の事業運営者である「万葉倶楽部(神奈川県小田原市)」が名乗りをあげてオープンにこぎつけた。
一日中豊洲地域を歩き回って、へとへとになった私は、前々から目をつけていた「築地海鮮虎杖(いたどり)」で、海鮮丼の「まぐたく(2300円)」をいただいた。小ぶりの丼だが、マグロの中落ちや鯛、イカ、サーモンなどがてんこ盛りになっている。
器が思ったより小さいので見た瞬間は「ふ、この程度か」と感じたが、食べ終えるとお腹いっぱいになっていた。お味もたいへんよろしく。大満足だったのである。

タワマンの影に隠れて見えにくいが、豊洲には今も人の暮らしの息づく地面がある。市場と団地、そしてタワマン。そのどれもが共存するこの街こそ、「タワマンだけじゃない街」の象徴なのかもしれない。
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