外国人向けの物件情報サイトを運営する「wagaya Japan(東京都千代田区)」の取締役 草薙匡寛氏は次のように説明する。

「豊洲はここ10年ほどで“ファミリーが安心して住める街”として急浮上したエリアです。近くに国際色豊かなインターナショナルスクールもあるし、成田空港や羽田空港へのバスも発着しています。そうしたこともあって、外国人からも人気が出てきています。
また、ららぽーと豊洲など大型商業施設がそろっているので、日常生活のための利便性も高い。特に、中国系のファミリーが教育環境を求めて定住する傾向が強く見られていますね」
またこの地域のタワマンからは、レインボーブリッジや東京タワー、東京湾の花火などを見ることができる。そうした眺望のよさも外国人からの人気の理由だそうだ。

タワマンの横に住む団地民が語った本音
恥ずかしながら、「豊洲にはタワマンしかない」と私は思い込んでいた。もちろん豊洲市場やそれに隣接する「豊洲 千客万来」などの観光施設があるのは知っていたが、住むためにはタワマンや、それに準ずるマンションしかないと思っていた。ところがそんなことはない。
地下鉄豊洲駅を出て、東に向かって少し歩くと、タワマンとはちょっと違った団地群が現れる。「豊洲四丁目団地」だ。1960年代の後半から70年代のはじめにかけて都市公団が建設したものだ。

付近には、長屋のような構造のかなり年代物の家屋も少しだけ残っている。「ぜんぜんタワマンだけじゃないな……」独り言をつぶやきながら、あたりを歩き回った。
団地の一角にある集会所に「健康麻雀」の旗がひらひらしているのを見つけた。ガラス窓から中を覗くと、数組のシニア世代が雀卓を囲んでいる。入り口にまわり、声をかけると、豊洲四丁目アパート自治会の会長、西岡誠さん(78)が気さくに応じてくれた。


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