「ハチに2回刺されたら死ぬ」説が"迷信"ともいえないワケ…「ミツバチ」でも危険! 秋になると増える《ハチ被害》刺されたらどうなる?

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ちなみに一般的にはおとなしいと言われる「アシナガバチ」も、スズメバチ同様に危険だ。巣は人家の軒下や垣根、壁の隙間などに作ることが多く、人間の生活と接点が多い。

洗濯物を干しているときや庭木の手入れをしているとき、干した洗濯物に紛れ込んで家の中で不意に刺される事故もあるという。

セグロアシナガバチ
セグロアシナガバチの巣。キイロスズメバチやコガタスズメバチの巣とは印象が異なる(写真:夏秋優医師 提供)

真冬に刺されたという人も…

真冬に室内で刺される事例もある。働きバチは秋を過ぎると死に、「越冬」をするのは新女王蜂だけである。巣から出て、雑木林の土の中や朽ち木の中、落ち葉の中、屋根裏などに潜んで冬を越すが、屋内に入る個体もいる。

「屋根裏や納戸、衣類にまぎれて箪笥の中で越冬する個体もいます。真冬に『ハチに刺された』と病院に来る方を何例も診察しています」

春に女王バチが巣作りを始め、産卵して幼虫にえさを与える。働きバチが誕生すると、女王バチが繁殖に専念し、働きバチによって巣は大きく発達する。働きバチは巣の管理や増設を行い、えさを確保して幼虫を育て、巣の周囲を守る。

そんな大切な巣を守るために、働きバチは近づく人を外敵とみなして攻撃態勢に入るのだ。

キイロスズメバチ
人家の軒下や木の枝、橋の下、屋根裏などさまざまな場所に作られる「キイロスズメバチ」の巣(写真:夏秋優医師提供)

涼しくなり、野外活動が心地よい秋は、草取りや畑仕事、庭の手入れなどを行う人も多いだろう。遠足やスポーツイベントなどの野外行事も増える。スズメバチはまだまだ活発で、不意に巣に近づいて襲われる事故も起こりうる。

住んでいる地域に多いハチの種類を確認したり、図鑑で生態を調べたりしながら、安全な暮らしを考えていきたい。

【前編を読む】「間違いなく最恐」「秋が最も危険」 クマよりも死者を多く出している危険生物…《スズメバチ》意外と知られていない"恐怖の実態"

Dr.夏秋の臨床図鑑
夏秋医師の著書『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎 改訂第2版』(Gakken)。掲載写真はすべて夏秋医師が撮影したもの。2025年春には、登山など野外活動中に持ち歩けるポケット版(右)も発売した(写真:筆者撮影) 
鈴木 ゆう子 ライター

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すずき ゆうこ / Yuko Suzuki

総合雑誌編集部、住宅誌編集部などを経て、フリーランスとして活動。趣味実用、住宅、インタビューなどを手掛けている。「東洋経済オンラインアワード2024」クリエイティブ賞受賞。

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