半端ないかゆみ!忍び寄る「トコジラミの恐怖」 インバウンドだけ目の敵にすれば解決する?

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トコジラミの被害が拡大している?(写真:hellohello/PIXTA)

トコジラミは、かつて日本でも多く見られたが、殺虫剤の普及によりその数は減少していた。ところが、近年、トコジラミによる被害が拡大している。内科医の私ですら外来でトコジラミに刺された患者(患者さんが虫体を持ってきて確認したので間違いない)に遭遇することがある。

東京都が公表している資料によると、トコジラミに関して保健所などに寄せられる相談件数は平成17〜20年は26〜75件程度であったのに対し、平成21年ころから増加し、令和元年には458件と7倍にも増加した。ねずみ・衛生害虫等相談状況調査結果によると、この10年間ほどは、トコジラミに関する相談件数は年間300〜400件で推移している。日本を訪れる観光客が増加しており、彼らがトコジラミを持ち込む場合もあるだろうが、それ以前にも日本国内に多数存在する害虫であり、インバウンドだけを目の敵にするのは適切ではないだろう。

トコジラミはどこにいる?

トコジラミは、その名前からわかるように、ベッドのマットレスの裏など、日中でも暗い隙間に棲み、卵を産んで増え、集団となって過ごしている。そして、夜など室内が暗くなると這い出てきて、温度や二酸化炭素を感知して、人体や動物に取り付き、 皮膚を刺して吸血する。

マットレスだけでなく、戸棚や畳の裏側など、日中でも暗い隙間に潜んでいるため、そういう場所を探さない限り、目にする事はほとんどない。トコジラミの糞がシーツなどに黒い点状の汚れとして残っている場合があり、その近くを探すと見つかりやすい。

トコジラミは旅行者の服や鞄などにくっついて移動し、旅先のホテルや、ときに家庭にも持ち込まれ、広がってゆく。

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