半端ないかゆみ!忍び寄る「トコジラミの恐怖」 インバウンドだけ目の敵にすれば解決する?
東京都の資料によると、東京都では例年6〜10月がトコジラミに関する相談件数が多く、1〜3月の冬期には減少する。トコジラミにとって温暖な気候が好ましいからなのと、夏期なので皮膚の露出が増えることも関係するだろう。
しかし、冬期であってもゼロではないし、温暖な国や地域に海外旅行する場合は話が別だ。そのような地域では通年性でトコジラミが活動しており、油断してはならない。
いつ刺されたのかわからないことも
トコジラミは人が寝ている間に吸血する。皮膚の露出している部分=顔や首、手首や足首周りが刺されやすい。
刺し口の特徴として、蚊に刺されたときのようにポツンと1つの刺し口があるのではなく、いくつもの刺し口が連なるようにして生じる。これは、1匹のトコジラミが1箇所だけでなく、数回刺して吸血するからで、数珠状に刺し口が並ぶのが特徴的だ。また、トコジラミは集団で棲んでいるので、同時に何匹もが吸血すると、一面に多数の刺し口が生じる。
トコジラミは口で皮膚を刺し、血が固まらないようにする働きのある唾液を注入し、吸血する。その唾液に対して遅延型アレルギー反応が起きると、強いかゆみが生じる。皆さん、蚊に刺されたときの皮膚の反応を見たことがあるだろうか?直後にはミミズ腫れのような皮膚の盛り上がりが生じる。これは即時型のアレルギー反応だ。その2〜3日後に刺された部分の腫れ、赤み、かゆみがピークに達し、徐々に治っていく。
この後から起きる強い反応が遅延型アレルギーなのだ。トコジラミでのかゆみもアレルギー反応なので、万人に同様の症状が生じるわけではない。刺されてすぐにかゆみを感じる人もいれば、遅延型アレルギーがもっと遅れて反応を起こすこともある。場合によっては、旅行先で刺されたのに症状を感じるのが帰宅後となることもある。そうなると、一体どこで何に刺されたのか判別は困難だ。
かゆみに対してはかゆみ止めの軟膏がある程度の効果はある。また遅延型アレルギー反応を鎮めるには副腎皮質ステロイド軟膏が有効だ。これはトコジラミに限らず、蚊に刺された場合にも同様だ。症状が強い場合は皮膚科を受診して診断や治療を受けることになる。
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