「何で今日のお昼はパン1個なの?」 ベストセラー作家ブレイディみかこさん、貧乏だった高校時代の記憶 "泣きごと言えない"社会の背景にあるもの

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ブレイディみかこさん(撮影:)
(撮影:梅谷秀司)
「他者の靴を履く」。それは自分ではない他の人たちについて想像を巡らし、楽しみや喜び、痛み、悲しみを理解しようとすること。100万部突破の書籍『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者で、イギリス在住のブレイディみかこさんは、自分とは異なる人たちの立場を理解しようする「エンパシー」の大切さを、ことあるごとに口にする。
新刊『SISTER“FOOT”EMPATHY』でみかこさんが綴った、“自分をもっとラクにするつながり方”とは――。インタビューを2回にわたってお届けする(今回は前編です)。
【後編を読む】作家・ブレイディ氏が思う"日本に足りない”もの

「人間関係」希薄に“している”時代

――みかこさんは「他者の靴を履く」大切さをいろいろな場で話しています。他者との関係というと、今の世の中は「希薄さ」があふれている感じがするのですが。

そうかもしれませんね。でも、希薄さが問題視される割には人間関係で悩んでいる人が多いっていう気もしていて。みんなの悩みの種が究極的には人間関係に集約されるというか。だから能動的に希薄にしている部分もあるのかもしれないですね。

最近、いわゆるSNSネイティブな若い人たちと話をする機会が多いんですけど、人との付き合いの中にこれ(スマホ)がいつもある。人の顔を見て話すのではなく、これ(スマホ)を仲介物としてつながっている感じ。何をやるにも事前にスマホで調べて、相手がどこにいるかも確認して、それから行動するじゃないですか。その上で築く関係だから(深くつながるのが)難しいのかもしれない。

【写真】他者との関わりについて語ってくれたブレイディみかこさん
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