「花粉症」や「加齢臭」の対策から「美肌」の維持まで…専門医が教える5つの【賢い入浴法】とは

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浴室に立ちのぼる湯気を鼻から吸い込めば、粘膜がうるおいます。すると、線毛の動きがスムーズになって、異物の排出が促されるのです。

また、入浴によって血流がよくなると鼻の粘膜の充血がやわらぎ、鼻づまりも改善されます。

「加齢臭」に効果を発揮する朝シャワー

朝起きると、自分の枕がなんとなくにおう。洗ったはずの服に袖を通すと、ほんのりとにおいが残っている――年齢を重ねると感じる、こうしたにおい。いわゆる「加齢臭」というものです。

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加齢臭のにおいは、皮脂に含まれる脂肪酸が分解・酸化されて発生します。特に「9-ヘキサデセン酸」という脂肪酸が、空気や常在菌に触れることで、加齢臭の原因物質「ノネナール」が生じることがわかっています。

この脂肪酸は加齢とともに増えるため、40代以降の男性に多い傾向がありますが、女性にも起こりうる現象です。

デオドラントスプレーを使うのもいいですが、もっと手軽な方法で防げます。朝1分、41℃のシャワーを浴びる。たったこれだけです。皮脂の分泌が多い部分にシャワーを当てるようにすれば、加齢臭の原因となる脂肪酸やノネナールの元を洗い流すことができます。

東京ガス都市生活研究所の実験でも、石けんなしでも皮脂量が減り、夕方までにおいが抑えられることが確認されています。

お湯を当てると効果的なのは、汗や皮脂がたまりやすく、加齢臭の発生源となりやすい「額、胸の間、背中の真ん中、わきの下、足の裏」です。

ただし、1分を超えて長く浴びると汗をかき始め、かえって皮脂が再分泌されてしまうため逆効果です。短時間で済ませることが、加齢臭を撃退するための朝シャワーの最大のポイントです。

早坂 信哉 温泉療法専門医、博士(医学)、東京都市大学教授

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はやさか しんや / Shinya Hayasaka

1993年、自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。2002年、自治医科大学大学院医学研究科修了後、同大学医学部総合診療部、浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、日本入浴協会理事。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。著書に『最高の入浴法』(大和書房)、『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)など。

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