「花粉症」や「加齢臭」の対策から「美肌」の維持まで…専門医が教える5つの【賢い入浴法】とは
例えば打撲の場合、受傷直後の2〜3日は「急性期」と呼ばれ、患部が炎症を起こしていて痛みや腫れが強く出る期間です。この間は患部を温めると症状が悪化するおそれがあるため、湯船には浸からず、シャワーで済ませましょう。
入浴が力を発揮するのは、症状が収まった慢性期と呼ばれる時期です。温熱作用によって血流が促されるので、損傷した組織へ酸素や栄養がしっかり届けられて回復が促されます。
また、患部をしばらく動かさないと、関節や筋肉がこわばってしまいます。そんなときに入浴で温めれば、こわばりも緩和できます。注意したいのは、熱いお湯に浸かったり、長湯をしたりしないこと。「40℃で10分間」をしっかり守ってください。
切り傷やすり傷の場合は、血が止まっていたら入浴しても構いません。湯船の中で雑菌が入るのを防ぐため、防水の絆創膏で傷口を保護します。湯船から出たら絆創膏をはがして、水道水(お湯)で傷を洗浄して雑菌を洗い流してください。
もし傷から血液がにじんでお湯に混じってしまった場合は、お湯を抜いてください。血液が少しでも混じったお湯を再利用するのは避けましょう。
床ずれ(褥瘡/じょくそう)に関しては、入浴が非常に有効です。温熱作用によって血流が促進され、圧迫された部位の回復を促すことが期待できます。
「皮膚のかゆみ」に熱い湯は厳禁
肌のかゆみに悩んでいる方は、以下のポイントをご覧ください。キーワードは4つ、「温度」「時間」「洗い方」「保湿」です。
①温度は40℃にする
42℃以上の熱いお湯に浸かると、皮膚の中にある「肥満細胞」が活性化し、かゆみの主な原因物質であるヒスタミンが大量に放出されるという研究結果があります。さらに、熱い湯は皮膚の保湿成分であるセラミドを溶かし出してしまいます。
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