②首の下に軽く丸めたタオルを入れる
頭と背中が同じ高さになると、首とマットレスとの間に隙間が生まれます。そこに丸めたタオルを入れます。
ただし、首を圧迫しないように指が入る程度の空間をつくっておくこと。これで首のS字を支えながら、首まわりの圧迫をやわらげられます。
呼吸が深くなると寝入りがよくなる
③骨盤の左右に丸めたタオルを置く
骨盤の中央10㎝くらいを開けて、左右に丸めたタオルをセットしましょう。
骨盤の中央を上げて支えるイメージです。ずれ防止にバスタオルをかけると、よりよいでしょう。これによって、うなずき運動の起点となる仙骨が動きやすくなります。
以上で、自然に呼吸が深くなる寝姿勢は完成です。また、横向きで寝ることが多い人も、最初は仰向けになって寝てみてください。
呼吸が深くなると寝入りがよくなるため、そのまま眠りにつけることもあるはずです。なお寝入り時には有効ですが、就寝中の継続が難しいのは課題です。
どうしても横向きになるという人は、いつも使っている枕を、右を向く人は頭の右側に、左を向く人は左側に置いておくようにしましょう。横向きになったときに枕に頭を乗せると、呼吸がしやすい状態を維持できます。
1950年石川県生まれ。同志社大学工学部化学工学科(現・理工学部化学システム創成工学科)卒業後、化学工業メーカーを経て、家業のインナー縫製会社「大阪縫製」に入社。ものづくりの現場に本格的に身を置き、立体構造設計の技術を活かして数多くのインナー製品の開発に従事する。2005年「トラタニ株式会社」を設立。立体裁断技術を駆使した「トラタニ3Cショーツ」は、シリーズ累計500万枚超の販売実績を誇る。60代後半での自身の不眠や心房細動などの体調不良がきっかけとなり、普段無意識にしている呼吸の中でも、特に「睡眠中の呼吸の質」が健康に大きな影響を与えていることに着目。あらゆる健康法や寝具を試す中で、「寝具の体圧が呼吸を妨げている」という構造的課題を発見。5年に及ぶ独自の試行錯誤と特許出願を経て、世界初の呼吸促進寝具「トラタニ好循環寝具」を開発。2023年には日本国内で5件の特許を取得し、2025年現在国際特許も申請中。
現在は「呼吸と睡眠で健康寿命を伸ばす」ことをライフワークとし、商品開発・ 講演・執筆活動を通じて“呼吸の再発見”を広く社会に発信している。https://ikuo-toratani.jp/
青木 晃(監修)
内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医
1961年東京都生まれ。防衛医科大学校卒業後、代謝・内分泌内科医として防衛医科大学校、旭川医科大学、自衛隊中央病院などで糖尿病、肥満症の臨床・研究に従事。1995年の地下鉄サリン事件では、当時勤務していた自衛隊中央病院から応援として、多くの患者が搬送された聖路加国際病院に派遣され自衛隊医官として従事。現場において、自衛隊医官としての知識・経験を活かし、最初にサリン中毒であると診断。初期治療の的確なアドバイスを指示することで、多くの患者の命を救う。2000年に生活習慣病予防における保険医療制度の限界を感じ、防衛庁を退職。抗加齢(アンチエイジング)医学の道に進み、2004年に日本で初めてのアンチエイジングクリニックである恵比寿アンチエイジングクリニックを開院。2007年、順天堂大学大学院加齢制御医学講座の准教授に就任。2023年、日本美容内科学会を立ち上げ理事長に就任。ホルモン年齢、脳年齢、筋・骨年齢などはすべて実年齢よりも10 ~20歳ほど若い体内年齢をキープ。抗加齢医学の第一人者として、雑誌やテレビなどのメディアでも活躍している。著書多数あり。