【スズキ初となるBEVの世界戦略車、価格は399万3000円からスタート】コンパクトSUVクラスの新型BEV「eビターラ」投入、後発からの追撃なるか

ちなみに、eビターラの記者発表会で、鈴木俊宏社長は、価格の設定については「社内でかなり議論を重ねた」という。現状、BEVは補助金があることで購入価格を抑えられるものの、「次世代の主力商品となるBEVの価格が補助金に頼っていいのか」ということが論点になったという。
たしかに、補助金は、現在、BEVやFCEVなど、環境に配慮した次世代車を普及させるために予算が組まれているが、永久的に続くとは考えにくい。将来的には、なくなる可能性も十分ある。そう考えると、いつまでも補助金に頼っているわけにはいかないのは当然といえる。
とくに、BEVを次世代の主力に据えるスズキにとって、価格ではなく、商品そのものの魅力で購入者が増えることが理想だろう。高くても魅力的なクルマなら売れるだろうし、たくさん売れればいずれ価格も下げられる。だが、現在は、その過渡期。その意味で、eビターラの値付けが正解か否かは、今後、市場が判断し結果が出ることだろう。
今後のBEV戦略について

スズキでは、eビターラのほかに、今後、軽商用バンのBEVを国内導入する方針だ。これは、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)とトヨタ自動車(以下、トヨタ)、それにスズキの3社が共同開発している車両で、ダイハツの「ハイゼットカーゴ」がベース。2025年1月には、3社が「2025年度中にそれぞれの導入を目指す」ことを発表しているため、近日登場することが期待される。
同様のBEV軽商用バンでは、ホンダが2024年に「N-VAN e:」を発売。また、軽乗用タイプでは、「N-ONE e:」を2025年9月12日に発売したばかりだ。一方、スズキは今回のeビターラこそコンパクトSUVだが、今後国内では、前述のとおり、軽自動車規格のBEVも手がけていくことが予想できる。いずれにしろ、日本では各社でBEV販売に苦戦するなか、こうしたモデルたちの登場で、市場にどんな変化が起こるのかが注目だ。
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