「僕を待っていてくれる存在が欲しい」アラサー理系男性が"カンガルーの仲間"に一目ぼれ→溺愛の現在「威嚇する姿もかわいい」

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「威嚇するしぐさも、かわいいなぁって思いました。小さな腕をいっぱいに広げて、『ジー!』って鳴くんです」

フクモモの威嚇姿
両手をいっぱいに広げたフクモモの威嚇姿。怒っているのにどこか愛らしい。(写真提供:ひろさん)

フクモモは臆病な生き物だ。簡単にはなつかないことも、ひろさんは理解していた。そしてその方が「フクモモらしくてかわいい」と思ったのだという。

ジゲン君は2カ月かけて環境に慣れ、そしてひろさんの存在に慣れていった。最初のころは広い部屋であちこち逃げてしまわないよう、蚊帳を張ってその中で部屋んぽをさせた。こうすることでフクモモを部屋の中で見失うこともなく、飼い主と一対一で遊ぶこともできる。

蚊帳の中で遊ぶ様子
フクモモは小さいので、ワンルームでも見失うことも。蚊帳を張ってその中で遊べば、遠くに行かないうえに、一対一の関係を築きやすい(写真提供:ひろさん)

無理に距離を詰めることもせず、ひろさんはゆっくりとジゲン君のタイミングを待った。ジゲン君が自ら近づいて来てくれたのは、3カ月経った頃だった。

「手のひらに乗ってくれて、おやつを食べてくれた瞬間が、一番感動しました」

今でも「ベタ馴れ」という程ではない。ひろさんとジゲン君は、お互いに心地よい距離を保ち、お互いを必要としながら暮らしている。

温かいポーチの中でまどろむジゲン君
温かいポーチの中でまどろむジゲン君(写真提供:ひろさん)

ジゲン君にも、パートナーを……

ジゲン君を迎えたのち、ひろさんの人生にもう一つ「幸せ」が訪れた。人間のパートナー、もえさんとの出会いだ。ジゲン君の臭い問題も、「慣れれば平気!」と笑い飛ばし、糞尿対策に「フクモモ専用服」に着替えて部屋んぽの相手をしてくれる、前向きで朗らかな女性。

もえさんは、ひろさんの部屋をもう一段明るくしてくれる存在となり、二人は結婚を考え始める。しかし、ひろさんにはひとつ気になることがあった。

「僕はもえと出会って結婚を考え始めているのに、ジゲンは……」

自分だけ幸せになっていいのか。フクモモは本来群れで生きる生き物だ。彼にも生涯の伴侶が必要ではないのか。

後編「自分だけ幸せになっていいのか」フクロモモンガを飼い溺愛する男性が“自分の結婚”を機に“ペットの婚活”を決意。“ケンカばかり”に見えた2匹の意外な結末とは?では、ジゲンのパートナー探しとその結末を紹介する。

宮﨑 まきこ フリーライター

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みやざき まきこ / Makiko Miyazaki

立命館大学法学部卒業後、13年間法律事務所にてパラリーガルとして勤務。自己破産、離婚、失業、犯罪など、人生の困難な局面に置かれた人々と接してきた経験を生かし、フリーライターとして独立。
人物インタビューを中心に取材・執筆している。
静岡県浜松市在住。愛犬家。夫と愛犬・鰤(ぶり)と暮らしている。

X:@makiko_miyazaki

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