「タワマンは終わった」との声も…千代田区"マンション転売規制"でバブル崩壊? 元フジアナで不動産投資家の西岡孝洋氏が指摘する「本当のリスク」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2013年、東京五輪開催決定を機に湾岸のマンションを買った。しかし、有名なマンション評論家が「この物件は10年後には半値でしか売れない」と名指しでそのタワマンを酷評。私は不安にさらされた。

2017年に別の物件を買った。当時は2020年東京五輪後に東京の地価は下がるとうわさされていた。「あと3年待てばバブルは弾けるのに、なぜ待たなかったのか?」と友人に言われた。

私が現在保有している2つのタワマンは、2020年から2021年、誰もタワマンに興味を持たなかったコロナ禍に仕込んだものだ。

江東区タワマン
評論家から10年後には資産価値が半減するといわれた江東区のタワマンから望む景色。現在は分譲価格の3倍ほどに高騰している(筆者撮影)

振り返ってみれば、どの局面でもリスクがあった。つまり「怖くない買い時」は来ないのだ。そして仮に本当に市場価格が崩壊したら、今度は恐怖心が勝って誰も買えない。高くても買えないし、安くても買う勇気は出ない。それが市場心理だろう。

そして、恐怖ばかりに目を向け、買う勇気を持てないこと。それこそが最大のリスクだ。

住宅ローンを現役で返せる時間は限られている。金融機関が融資を判断する際に見るのは、年収と年齢だ。5年待てば物件の価格は下がる可能性はあるかもしれないが、上がることもある。その不確実性と比較して確実なことは、あなたはその分、年を取り、ローン返済に使える時間は短くなるということだ。

タワマン価格高騰の今「とるべき一手」

それでは、どうするのが次の一手か。今すでにマンションを持っている場合と、まだ持っていない場合に分けて考えてみたい。

都内ですでにマンションを所有している人の多くは、分譲時の価格を上回る売却予想価格、つまり含み益を抱えている。そういう人が次に買うべきは「一生住んでもよい」と思える物件だろう。

今の高騰のおかげで十分な含み益がある以上、それを享受して新しいマンションに移ること自体は大きなリスクではない。ただし、次の物件がまた値上がりする保証はない。だからこそ、残債割れしても心の平穏が保てる、終の棲家のつもりで買える物件を選ぶべきだ。

次ページ「今は買い時か」と問われれば…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事