「タワマンは終わった」との声も…千代田区"マンション転売規制"でバブル崩壊? 元フジアナで不動産投資家の西岡孝洋氏が指摘する「本当のリスク」

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暮らしの場から、投資の対象へ。タワマンを買ったというだけで、巨額の含み益を有する者に対する複雑な思いを感じるような場面に遭遇することも増えた。今のタワマンは高騰しすぎであり、これはバブルであると考える人も増えたように思う。

それでは、今は「タワマンバブル」なのだろうか?

タワマン高騰の理由は以下の2点から説明されることが多い。

1点目は、材料費の高騰、人件費の上昇、取得用地の価格が上がり、建築コストが上がったこと。

2点目は、需要と供給のバランスが崩れていること。

問題はこの2点目だ。タワマンはそもそも買うこと自体が圧倒的に難しくなっている。建築コスト上昇で新築マンションの供給は絞られる一方で、資産性が向上していることもあり、需要の購買意欲は旺盛だ。

今起こっているのはタワマン争奪戦の前哨戦、モデルルーム予約の争奪戦であり、これを勝ち抜かなければ新築マンションを買うことすらできない。

港区タワマン
2017年に購入し、2019年に居住していた港区のタワマンから。東京タワーが望める立地が売りだった(筆者撮影)

「タワマンバブル」は崩壊するか?

この現状を鑑みた中で、千代田区の要請について考える。千代田区が記した要請の目的を見てみると以下の通りだ。

「マンション等の住宅価格の高騰が続いており、同時に国外からの投機を目的としたマンション取引が行われていると考えられます。投機目的のマンション取引が増えることにより、過度な住宅価格の上昇、ひいては賃貸住宅の賃料の高騰などにも影響を及ぼし、区内に居住したい方々が住めないことが想定されます」

まず、今回の要請に法的拘束力はないが、行政と手と手を取り合って開発をしていくデベロッパーに対して一定の影響力はあると考えられる。

とはいえ、過去にも千葉県の海浜幕張のタワマンで同様の転売禁止措置が講じられたがマンション価格には影響がなかった点を考えると、今すぐマンション価格が下落するほどのインパクトはないと思われる。

次ページ今回の要請で、千代田区が問題提起した「真の意味」
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