アベノミクス2.0の方向転換は正しい決断だ 金融政策の比重は低下、長期課題にシフト

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真面目な話、潜在成長力がゼロ近傍まで低下した経済においては、マイナス成長に慌てるべきではない。むしろ黒田日銀は、「生鮮食品とエネルギーを除いた物価上昇率」が1%を超えていることに手応えを感じている様子である。よって今日の追加緩和はナシ、と予測しておこう。

さて、ここから先は競馬ファン限定のコーナーとなる。

皆さま、先週の菊花賞はご覧になりましたよね。いや、しびれましたな。どの馬も全力を出し切っていて、まったく脚を余してはいない。その結果がキタサンブラックという意外な結末で、馬主の北島サブちゃんが♪祭りだ、まつりだ~♪と唄ってくれた。馬券は取れなくとも、こういう真剣勝負が見られるのであれば文句は言うまい。今週末の天皇賞(秋)も同様な好レースを期待したい。

わざわざ秋天を目指す牝馬に賭けたい

ところでこの「秋天」、11年はトーセンジョーダン、12年はエイシンフラッシュ、13年はジャスタウェイ、14年はスピルバーグと、単勝オッズ10倍以上の勝利が続いている。伝統ある一戦といえどもボラティリティは高いのだ。ゆえに選び方も一工夫が必要だ。

この夏に大ブレイクしたラブリーデイが持っていくとか、エイシンヒカリがサイレンススズカのような逃げを見せるとか、イスラボニータが昨年の雪辱を果たすとか、そういう単純なストーリーにはならないと考えたい。

ズバリ筆者がそそられているのはショウナンパンドラだ。秋天、意外と牝馬は強い。2005年はヘヴンリーロマンス、2008年はウオツカ、2010年はブエナビスタが勝っている。過去10年で出走したのべ174頭中、牝馬はわずかに16頭。ところが過去10戦中3勝もしているのだ。この時期、普通ならエリザベス女王杯に回るところ、わざわざ秋天を目指してくる牝馬には、陣営に十分な勝算があると見るべきではないか。

ということで、今週末は「秋天は5年周期で牝馬が来ちゃう」説に賭けてみたい。池添謙一騎手の興奮した声が今から聞こえるような気がするぞ。

かんべえ(吉崎 達彦) 双日総合研究所チーフエコノミスト

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Kanbee

吉崎達彦/1960年富山県生まれ。双日総合研究所チーフエコノミスト。かんべえの名前で親しまれるエコノミストで、米国などを中心とする国際問題研究家でもある。一橋大学卒業後、日商岩井入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員や、経済同友会代表幹事秘書・調査役などを経て2004年から現職。日銀第28代総裁の速水優氏の懐刀だったことは知る人ぞ知る事実。エコノミストとして活躍するかたわら、テレビ、ラジオのコメンテーターとしてわかりやすい解説には定評がある。また同氏のブログ「溜池通信」は連載500回を超え、米国や国際政治ウォッチャー、株式ストラテジストなども注目する人気サイト。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『アメリカの論理』(新潮新書)など多数。競馬での馬券戦略は、大枚をはたかず、本命から中穴を狙うのが基本。的中率はなかなかのもの。

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