海外投資家は追加金融緩和に期待していない 中国の9月輸入は20%減で市場に失望感
日本株は中国の経済指標の悪化や景気鈍化懸念を背景に売られ、14日の日経平均株価は前日比343円安の1万7891円で引けた。株価押し上げ材料を探す強気筋の思惑とは裏腹に、中国要因が再び売り材料となり、株価は再度下値を試す展開になりつつある。
日経平均株価は重要なフシ目である1万8400円を超えられずに下げたことで、目先の天井を確認した格好となっている。この水準では過去に売買が集中しており、戻り売りが上値を抑えた格好となっている。
これをクリアするには相応の材料が必要だが、その前に中国の景気指標の悪化が露呈したため、市場には失望感が広がっている。筆者は中国株の日々の変動に一喜一憂する必要はないと考えているが、こと経済指標については別である。世界経済は依然として米国を中心に回っているが、世界第2位の経済大国となった中国の経済状況を無視するわけにはいかない。
コモディティの価格下落が大きく影響
米国から中国への輸出は全体の1割以下であり、中国景気は関係ないとする見方もあるが、これはあまりに暴論である。13日に発表された9月の貿易統計によると、9月の輸入はドルベースで前年同月比20%もの減少となった。コモディティの価格下落が大きく影響していると考えられる。
主要コモディティの輸入は数量ベースでは前月比・前年同月比で増加しており、堅調といえる。安値を利用して備蓄を増やしている可能性が指摘される一方、国慶節を前に在庫の積み増しをしたとの見方もあり、10月の数値を確認する必要がある。
コモディティの中でも、中国の年初から9月までの原油の輸入量は、主要コモディティの中で唯一増加している。少なくとも原油については、着実に在庫を増やしているといえよう。
前回の本欄では、世界の株価指数をコモディティ価格で割ったレシオの強弱感がほぼ4年ごとに入れ替わっていることを指摘した。コモディティ価格は中国要因で下げてきたが、市場の見方とは逆に底値をつけている可能性がある。上記の指標からも、今後は株式よりもコモディティのリターンが高くことが想定される。
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