アベノミクス「新3本の矢」の「肝」は何か

従来の「3本の矢」との違いや継承点は?

仏バルス首相(中)と池のコイに餌をやる安倍首相(京都での夕食会で)。「新3本の矢」の中身が問われる(写真:共同通信)

9月24日安倍首相は、「アベノミクスが新たなステージに移った」として、「新3本の矢」を提唱し、それを経済政策運営の基本に据えることに言及した。

なぜ「新第1の矢」が3本の中で一番重要なのか

第1の矢が「希望を生み出す強い経済」(名目GDP600兆円達成)、 第2の矢は「夢をつむぐ子育て支援」(出生率の1.8への回復)、第3の矢は「安心につながる社会保障」(介護離職ゼロ)である。

これらは閣議決定などを経ていないし、特に第2の矢、第3の矢については、具体的な対応策や達成時期などもはっきりしていないので、今後想定される政策変更の想定や評価が難しい。そのため、メディアや金融市場では、「具体策に乏しい」「アベノミクス失速の象徴」など批判的な声が総じて多い(最近の株式市場の動揺も、そうした論調を強めている)。

現時点で即断は難しいが、「新3本の矢」として最も重要な点は、第1の矢として名目GDP600兆円の目標、が掲げられたことだと筆者は考える。

冷静に考えれば、この目標自身はほとんどの先進国と同様に、名目GDPが安定的に拡大するよう、経済状況を正常化させることに過ぎない。従来の第1の矢、つまり金融緩和強化によるデフレ脱却の延長線上として、名目GDP拡大が据えられているということだ。もちろん、1960年代に自民党の池田勇人政権が「所得倍増計画」を掲げ、経済重視政策を成功させたことも意識しているのだろう。

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