「工場萌え」と「モーターショー」の意外な接点 トヨタ「KIKAI」に見る、クルマの未来とは?

拡大
縮小
ホンダ「WANDER-WALKER」。自由に角度が変わるオムニホイールが組み込まれている

ワンダーウォーカーと名づけられた本田技研の提案は、ジョイント部にベアリングを組み込むことで、あらゆる方向に瞬時に向きが変えられる同社開発のオムニホイールを活用したものだ。サイズはコンパクトなので駅の自動改札も通れるし、オムニホイールのため真横の移動も可能なのだそうだ。

ダイハツ工業は今回、Nori-Oriという車高を自動で下げる、いわゆるニールダウンして路面とほぼツライチになる乗用車を提案しているが、僕たちが高齢者になる社会でこの2つの組み合わせは必須になるかもしれない。

ドイツの自動車ショーとは対照的の東京モーターショー

ダイハツが提案するマルチユースコミューター「Nori-Ori」。路面との段差がほぼゼロになる

ドイツはフランクフルトでの自動車ショーでは、欧州委員会による2020年のCO2排出量規制を前にして、プラグインハイブリッドや電気自動車のコンセプトモデルが多かったが、東京モーターショーは対照的といえるかもしれない。会場の規模も違い、ドイツのような派手さもない。しかし、実はよく見ると、日本が抱えている、若い世代による市場形成への取り組みや、高齢化社会への対応策が提案されている。

そのため僕は東京モーターショーに「GO」を進呈する。未来を考えながら、クルマの原点に立ち戻るようなコンセプトを評価したいからだ。まさにバック・トゥ・ザ・フューチャーだと思う。夕方からだと入場料が一段と安くなる設定にもなっているので、ビジネスマンの読者のみなさんも、会場の東京ビッグサイトまで足を運んでみるといいと思う。

(文:小川フミオ)

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT