「工場萌え」と「モーターショー」の意外な接点

トヨタ「KIKAI」に見る、クルマの未来とは?

トヨタ自動車のKIKAIはマイルドなマッドマックスという感じが面白かった。あの映画に出てくるクルマは、1959年キャディラック・クーペ・デビルを2台くっつけたような「ザ・ジャイガホース(THE GIGAHORSE)」、ディースクーペをストリートロッド風に仕立てた「ザ・ニュークスカー(THE NUX CAR)」、ビートルを改造した「FDK」など、どれもメカニズムむき出しだからだ。それがインパクトを持っている。それと同じ。

コンセプトモデルは各パーツが見た目よく仕上げられているけれど、その気になれば、エンジンのヘッドカバー、エアインテーク、シリコンホース、ステンレス網組オイルホース、エグゾーストシステム、マフラーといったものを、マッドマックスよろしく米西海岸のストリートロッド風のワイルドな感じでチューンナップしていくのもいいだろう。僕は楽しみになる。サスペンション、ブレーキ、タイヤなども同様だ。

ユニークなコンセプトカー

トヨタ「S-FR」はフロントエンジンに後輪駆動のコンセプトモデル

トヨタ自動車は、もう1台、ユニークなコンセプトカーを作っている。全長3990ミリ、全幅1695ミリと、ヴィッツサイズのコンパクトな車体を持った、後輪駆動のスポーツカー「S-FR」だ。「昭和の匂いがするという意見もありますが、これがクルマの原点」。開発を担当したモータースポーツ本部の森和生さんはそう話している。KIKAIは見た目でクルマの原点を追求し、このS-FRは楽しさでの原点を追求しているともいえる。トヨタ自動車の企画は鋭いと僕は思った。

もちろん各社とも、それぞれのやり方で、消費者へのアピールを考えているので、トヨタ自動車ばかりをホメては不公平だ。高齢化社会化により人口の逆ピラミッド化が急速に進む日本のインフラを支えるというのも、実は、スポーツカーなど魅力的なファンカーと並行して、日本の自動車メーカーにとって重要なテーマなのだ。2015年4月に開催されたミラノデザインウィークでアイシン精機は電動モビリティの提案をしてくれたが、東京モーターショーでは本田技研が、自動車未満ともいえる日常的な乗り物のコンセプトをお披露目してくれる。

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