トヨタの小型モビリティは公共交通になるか 2020年に向けた「i-ROAD」普及計画の全貌
2014年、世界初の燃料電池市販車ミライを発売したトヨタ自動車が、2015年10月に自動運転技術を報道陣へ公開。東京の首都高速道路で披露された技術は、日産自動車など他社に遜色ないレベルにあり、トヨタはこの分野に消極的であるという従来の噂を払拭した。
こうした技術革新は、今後のメーカー間競争を優位に進めていくという目的もあるだろう。しかし、もう一つの理由があることを忘れてはいけない。トヨタは2015年3月、国際オリンピック委員会(IOC)との間で、10年間のTOP(ジ・オリンピック・パートナー)、つまり最高レベルのグローバルスポンサーシッププログラム契約を結んでいるのだ。これにはもちろん、2020年の東京五輪も含まれる。
トヨタはモビリティ事業を次々展開
3月に公開したトヨタの発表資料によれば、契約対象は車両(乗用車、小型モビリティ、商用車等)およびインフラ(ITS、テレマティクスサービス等)とあり、小型モビリティが乗用車と別枠で明記してある。国土交通省では「超小型モビリティ」と名付け、2013年から認定制度を実施しているカテゴリーを、積極的に普及させていこうという意気込みが文面から伺えた。
トヨタは2013年のジュネーブ・モーターショーで、超小型モビリティ「i-ROAD」を発表している。2345㎜の全長、全幅870㎜の全幅ともに、クラウンの2分の1以下という小さなボディを持つ、1〜2人乗りの3輪電気自動車だ。この車両を活用することが予想できるような発表だった。案の定、同社は2015年4月以降、東京で新しいモビリティサービスを次々に展開しはじめている。
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