トヨタの小型モビリティは公共交通になるか 2020年に向けた「i-ROAD」普及計画の全貌
まず同4月からは、国内最大規模のカーシェアリング、タイムズカープラスを展開するパーク24と共同で、5台のi-ROADを使ったカーシェアリングの実証実験、「タイムズカープラストヨタi-ROADドライブ」を開始した。有楽町を出発地点として、浅草、お台場、東京タワー、東京ドームのいずれかの場所で返却する、東京初のワンウェイ方式のサービスを展開した。
従来の多くのカーシェアリングは、車庫証明の関係で、車両を借りた場所と同じ場所に返却しなければならなかった。移動という行為が基本的にA地点からB地点へ動くことであることを考えれば、使いにくかった。
これに対してワンウェイ方式とは、借りた場所と違う場所での返却を可能としたもので、欧米のカーシェアリングでは普及が進んでいる。i-ROADは日本国内ではミニカー(原付3輪)登録なので、車庫証明は関係なく、ワンウェイ型を導入することができた。その後法律が改正され、現在では正式にワンウェイ方式として認められている。
都内3カ所目の「Ha:mo」事業
このサービスは2015年10月から「タイムズカープラス×Ha:mo」と名を変え、再スタートした。「Ha:mo(ハーモ)」とはトヨタが運営している超小型モビリティのシェアリングサービスの名称で、愛知県豊田市と仏グルノーブル市で展開している。つまり東京の事例は3カ所目となる。この後2016年1月からは沖縄県本部半島でも実証実験が始まる。
内容は前回より拡充しており、ステーション数は21カ所(10月末時点)。すべてのタイムズカープラス会員が利用可能とするなど、敷居も低くなっている。
続いて2015年7月から始まったもう一つの実証実験が、オープンロードプロジェクトである。都内で生活あるいは仕事をしている100人にi-ROADの試乗パイロットになってもらい、1カ月間使ってもらうという内容である。筆者も第2期のパイロットに選ばれ、8月下旬から1カ月間、i-ROADとの生活をともにする機会に恵まれた。
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