トヨタの小型モビリティは公共交通になるか 2020年に向けた「i-ROAD」普及計画の全貌

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これまで味わったことのない新鮮な体験だった。そして先進的なデザインは、子どもから外国人まで多くの人々から注目された。自動運転や燃料電池車とともに、2020年の東京を象徴するモビリティになれると思った。

都内にある200カ所の駐車場が検索できる専用アプリもある

気になる点もあった。専用アプリは使いやすかったが、用意された200カ所の駐車場の多くは、自動車に乗る人にはおなじみのタイムズ駐車場であり、大きな区画に小さなi-ROADを1台だけ停めるのは申し訳ないと思った。

さらに充電設備付きの駐車場は、航続距離を考えれば明らかに少なかった。

シェアリング方式での普及が可能性高い

それ以上に問題なのは、どうやって普及させるかだろう。トヨタでは販売とシェアリングの両面を考えているようで、前者の実証実験がオープンロードプロジェクト、後者がHa:moとなっているが、販売価格は100万円以下という当方の希望に対し、難しい表情をしていたので、現状ではシェアリング方式のほうが可能性は高いかもしれない。

しかし現在、オープンロードプロジェクトやHa:moで使っているタイムズ駐車場は、自動車以外でのアクセスには不便な場所も多い。モビリティの使い分けという観点に立てば、鉄道事業者と手を組んで駅前に車両を置いたりしたほうが、幅広いニーズを掴みそうな気がする。

カーシェアリングやサイクルシェアリングは、自分で運転する公共交通だと思っている。事実サイクルシェアリングでは、交通系ICカードで利用できるサービスが増えており、公共交通の一部に組み込まれつつある。だからこそトヨタには、自動車か鉄道かという枠を超えて、i-ROADを活用した真に使いやすいモビリティネットワークを構築してもらいたい。
 

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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