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元イタリアンシェフ「コロナ禍で1500万借金」から《万博出店》へ。「家賃2万円」おんぼろとんかつ店が月商2700万円に急成長した「振り幅戦略」

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大阪・関西万博の店は、「EARTH TABLE〜未来食堂〜」の一角にある(写真提供:とんかつ乃ぐち)

ブームを起こした料理人が見る世界とは

「10カ年計画」ができたのには、ある過去も関係していた。イタリアンレストランでシェフをしていた19~25歳くらいの頃の話だ。深夜になると、いつも営業を終えた料理人たちが集まってきていたという。

そのなかに異色のグループがいた。寿司職人たちだ。当時は、日本料理ジャンルでまだミシュランの星を獲得した店がなく、世界遺産にも認定されていなかった。今でいう、高級な「江戸前寿司」という概念も大阪にはあまりなく、寿司といったら「3000円で食べて飲める」が当たり前だった。

しかし、寿司職人たちは、「今日ネタを5万円分捨てた」「10万円分捨てた」と嘆きながらも、高額の寿司を出して理想を追求していた。大阪にまだない「江戸前寿司」のレベルの店を目指して戦っていたのだ。

『鮨処 多田』『すし処 広川』など、その後ミシュランの星を獲得した寿司店店主の若かりし姿だった。さらに2013年には、日本料理が世界遺産に登録されて、寿司は世界中から注目される料理になった。

その変化に野口さんは、大きく揺さぶられたのだ。

「むちゃくちゃかっこいいと思いました。ブームを起こした彼らがどんなふうに階段を登り、今どういう世界を見ているのか知りたい。自分はその景色を、とんかつで見てみたい」

それが、「とんかつ道」10カ年計画につながった。

想いは結実して2025年4月13日、計画通り、『とんかつ乃ぐち』は万博内にオープンを果たす。しかし、カウンター5席のおんぼろアパートで営業していた弱小とんかつ店が、いったいどうやって?

後編では、オープンまでに次々訪れた試練と、乗り越えた道筋について紹介する。

後編:《万博》唯一の個人店が挑んだ「冷凍だらけ」の現実→生食材からの完全手作りで、1日7回転の大繁盛とんかつ店を生んだ"執念"の舞台裏
【画像を見る】本編で紹介しきれなかった画像も!低温調理法で揚げたとんかつに万博出店の様子はこんな感じ

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