だからサン・ペドロ駅からマチュピチュに向かう便は長く運休だった時期があるし、現在も朝6時台、7時台の2本しか走っていない。
生成AIのGeminiは名前すら出さないし、ChatGPTも心なしかデメリットを強調しているように感じる。ダメ押しすると、クスコ市内とマチュピチュを結ぶ便は雨季の1~4月は運休する。
相当な列車好き以外にはとにかく使いづらく、「非推奨」扱いされるのも分からないでもない。
あえて「非推奨ルート」をチョイス
それでも筆者はサン・ペドロ駅からペルーレイルの直行列車に乗ることにした。
宿泊していたホステルから同駅が徒歩で行ける距離にあったのと、「時間ばかりかかる」という非推奨の理由は、筆者の脳内では「価格が高い列車に長時間だらだらと乗れる」と変換されたからだ。
用もないのにチェックアウト数分前までホテルに滞在しがちな貧乏性がここで発動してしまった。

ルートと日時を決めたら次に選択するのが車両クラス。サン・ペドロ発には上級の「Vistadome(ビスタドーム)」とエコノミークラスの「Expedition(エクスペディション)」があり、どちらに乗るかマチュピチュ旅行者の間でしばしば議論になる(さらに上のクラスもあるが、片道約10万円するので検討しなかった)。
価格差はおおむね25ドル。往路の場合、主な違いは窓の大きさとスナック菓子とドリンクが含まれているか否かだった。
一番安いエクスペディションでも座席の窓が大きく、さらに天窓がついているので、外の景色は十分楽しめる。軽食やドリンクは車内販売でも購入できる。だから25ドルの差額は高すぎるとエクスペディションを選ぶ人も多い。
筆者も迷ったが、往復するので往路はビスタドームを予約した。価格は88ドル、旅行時(2024年10月末)のレートだと1万4000円弱。朝食付き3000円のホステルに泊まっていたので5泊分に相当すると考えたらやっぱり高い。


だが、情報が限られる中で何となく選んだこの鉄道旅は、世界一周旅行で下した数々の判断の中でも5本指に入るくらい大当たりのコンテンツだった。ChatGPTがもてはやされるが、50年の蓄積に基づく筆者の"カンピュータ"も侮れないのだ。
後編では実際に「ペルーレイル」と「インカレイル」に乗ったレポートをお届けしたい。

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