「世界遺産マチュピチュ」へ列車旅、生成AIのおすすめルートは無視!あえて「非効率な直通」列車を選んだ理由。《50代世界一周ひとり旅》

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数時間の移動にそんな金額を払いたくないという人向けの2つめの手段は、バスと徒歩の組み合わせ。

クスコから片道3000円前後のバスで6~7時間かけて「水力発電所」という地点に行き、線路の上を10キロほど歩く、通称「スタンドバイミー」コース。標高2000メートル以上の線路を数時間歩くので、体力に自信がある人向きだ。

筆者も10年前だったら「スタンドバイミー」を選んでいたかもしれないが、いくら気持ちは「令和の沢木耕太郎」でも、実際は免疫力低下に悩む50歳。周りの人に迷惑をかけないよう、穏便に観光列車を選択した。

直通列車なのに「非効率」の理由

東京ー大阪間の列車移動にのぞみから青春18きっぷまであるように、「マチュピチュ村まで列車で行く」と決めてからもいくつもの選択肢がある。

まず鉄道会社は「ペルーレイル」と「インカレイル」の2つがある。ANAとJALみたいなもので、座席に複数のクラスある点などは共通しているが、細部が違う。筆者はこの際、往路と復路でそれぞれ乗ってみることにした。

そしてクスコとマチュピチュ村を結ぶ観光列車と言いながら、多くの人が選ぶのは「クスコ市内からオリャンタイタンボ駅までバスで2時間強かけて行き、同駅からマチュピチュ村まで列車に1時間半乗る」ルート。列車のオンライン予約サイトで検索すると、大半の便がこの組み合わせだ。

ガイドブックや旅ブログにも「シャトルバス&観光列車」が一般的だと書いてあるし、世の中の情報を学習する生成AIも、同ルートを推奨してきた。

しかし、ペルーレイルならクスコ市内とマチュピチュ村を直接結ぶ列車も運行している。一見便利そうに見える直通列車がなぜマイナー扱いなのか。それはクスコ市が盆地に位置し、列車で抜けるために山越えが発生するからだ。

観光エリアに立地するサン・ペドロ駅から出発すると、10キロ先にある隣駅のポロイまでスイッチバックを繰り返しながら40分もかかる。というわけで、サン・ペドロ駅からマチュピチュ村までの直通列車の所要時間は4時間半に達し、シャトルバス&列車よりも長くなってしまう。

マチュピチュに向かう
標高が高いクスコの街を抜けてマチュピチュに向かう(写真:筆者撮影)

クスコ市郊外にあるポロイ駅から出発すると、マチュピチュ村まで3時間半で到着できるが、クスコ市街からポロイ駅まで交通手段を自分で確保する必要があり、費用がそれなりにかかってしまう。

ペルーレイルの公式サイト
クスコには3つの駅があるが、ワンチャック駅からからシャトルバスでオリャンタイタンボ駅まで行き、列車に乗り継ぐルートが最も一般的だ(画像:「ペルーレイル」公式サイトより)

というわけで、クスコ市街地からオリャンタイタンボ駅までシャトルバスで行き、ウルバンバ川など景勝地が連なる区間だけ列車を使うのが「効率の面」では最適解になる。

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