「味は変わらず3割安い」卵を売る、田舎道にあるレトロ自販機→「スーパーに並ばない規格外品」を売り切れ必至の人気商品にした"親心"の物語

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卵の自販機
田舎道にぽつんと現れる、レトロな「卵の自販機」。なぜここで人気を集めるのか?(筆者撮影)
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沖縄本島南部の田舎道、突然現れたのは「うみたてたまご」の大きな看板。気になって立ち寄ってみると、レトロな雰囲気の卵自販機がある。

頑丈そうで安心感のある武骨なデザインの自販機には、「こんもり」(12個入り300円)、「大まる」(9個入り270円)、「ふたご」(8個入り270円)など、珍しい名前が並ぶ。

規格外の卵を3割引で販売

これらは規格外品で小売店への一般的な流通ルートに乗らない卵だ。中でも「中身美人」(8個入り200円)は、殻の凹凸や色が規格外で、味や大きさは規格品と変わらないものを通常の約3割引で販売している。品切れ必至の人気商品なのだとか。

硬貨を入れると、女性の声で「お好みの品物を押してください」「扉を開けてください」などのアナウンスが流れる。

「この声が流れることで子どもたちが喜んで、卵を買いたがるんですよ」と話すのは、この自販機を運営する見奈須フーズの宮城哲治社長だ。

2002年、同社の養鶏場前に沖縄県で初めて鶏卵の自動販売機を設置して以来、23年間稼働し続けてきた。

宮城社長は「養鶏場のすぐそばに自販機があると、とれたての卵が売っているとすぐにわかるでしょう」と、立地そのものが発揮するマーケティング効果を駆使する。

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