商品は1日に3回ほど補充している。市内に設置場所を絞っているのは、新鮮さを維持するための補充効率を重視したからだ。養鶏場から車で15分ほどで人口の多い那覇市内にも行ける距離だが、安定的に生産・補充ができる規模として、敢えて拡大せずに最適なサービスを優先している。

ユニークなオリジナル商品に込めた“親心”

冒頭でも触れた、ユニークな名前の卵ラインナップ。もともとは、規格外品で小売店への一般的な流通ルートに乗らない卵たちを、おいしく食べてもらおうと考えた宮城社長の“親心”だった。
宮城社長によると、鶏卵はサイズの大小にかかわらず、黄身の量はどの個体もほぼ同じで、白身の量が変わるという。「こんもり」はサイズが小さく白身部分が少ないもの。「大まる」はサイズが大きく白身が多いものだ。
前述した「中身美人」の商品紹介では、「見た目は少し悪いけど中身は美味の卵です」と、七五調のテンポ良い文言で愛情を込めた言葉が並ぶ。

「ふたご」は読んで字のごとく、双子の卵。これらが双子の卵であることが、割る前からなぜわかるのだろうか。宮城社長は「若い鶏しか双子の卵を産まないんですよ。通常、若鶏の卵は小さいことが多いのですが、突然不自然に大きな卵が出てきます。『これは確実に双子の卵だ』とわかります」と説明する。3つ子や4つ子は、長年の養鶏人生でも「聞いたことないねぇ」と笑う。

これらの愉快でかわいらしいネーミングは宮城社長によるものだ。
オリジナル商品には、規格外品だけではなく、積極的に自社で開発した卵もある。その一つ「ふこい卵」は、海草のぬるぬる成分に含まれる食物繊維の一種「フコイダン」を含むエサを与えた鶏が産んだ、栄養価の高い卵。白い卵を産む鶏と赤い卵を産む鶏を掛け合わせて、ピンクの卵にしていることも特徴だ。
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