店舗数は2倍、売上高は4倍…いつの間に「丸亀製麺1強独走」になったのか? 丸亀・はなまる 「セルフうどん」2強の競争の歴史
この状態、昔の狂歌になぞらえると「まわりがこねたセルフうどん天下餅、座りしままに食らう丸亀製麺」と、言えなくもない。

その後、ファストフードとしてのチェーン店化のためにセントラルキッチンからの配送・店舗での調理手順を簡素化していた「はなまる」や先行各社に対して、丸亀製麺は値崩れしていない「釜揚げうどん」をメインに「店内製造・できたて」「来店そのものが『体験価値』」という強みで高単価・高利益を維持し、競合各社がひしめく渋谷などの都心より、郊外・ロードサイドをメインに関東に攻め上っていった。
粟田社長の著書いわく、その後に「『〇〇製麺』と名のつくコピー店が増えてきたので、レッドオーシャン(過当競争)になる前に、一気に行かねば」と出店攻勢をかけたという。こうして、2008年に100店突破、翌年に「はなまる」を追い抜き、業界首位となれたのだ。
丸亀製麺と、はなまるうどん。両者をレース展開のように比較すると、「はなまる」が「和のファストフード」として「セルフうどん」を発明、一気に先行したのち低単価・低収益に苦しんでいたところを、丸亀製麺が、一気に抜き去ったようなものだ。もちろん、丸亀製麺・トリドールホールディングスとして一定の経営努力や「勝ちの一手」を打てる企業としての判断力、不思議な豪運があったことは間違いない。
一方で「はなまるうどん」は企業として何度もピンチを迎えたこともあり、セルフうどんの先駆者たりえたものの、王者にはなりえなかった。ただ近年はコロナ禍から立ち直り、徐々に苦境を打開しつつある。
2強の競争が今後どうなるかはわからないが、もう「美味しくて安心なうどんなら、何でもよし」。難しいことを考える前に、まずは丸亀製麺・はなまるうどんの2社を食べ歩き、両者の特徴をゆっくり観察するのもいいだろう。
さて、全国的には丸亀製麺が「はなまるうどん」を圧倒しているとして……真逆の県がある。「はなまる」創業の地にして、讃岐うどんの本場・香川県だ。
丸亀製麺はなぜ、香川県では「2店が閉店、1店のみ残る」状態が続いているのか。詳細は、続く記事「丸亀製麺、香川県内では「圧倒的大敗」?味だけではない根本的な要因」でご覧いただこう。原因は味だけでなく、「はなまるうどん」ですら安閑としていられない、さまざまな問題がある。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら