店舗数は2倍、売上高は4倍…いつの間に「丸亀製麺1強独走」になったのか? 丸亀・はなまる 「セルフうどん」2強の競争の歴史
讃岐うどんの本場・香川県には、製麺所のついでに付けたされたような一角でうどんを食べる「製麺所併設タイプのうどん店」が数多くあり、こういった場所でゆでたてのうどんを貰って食べる、といった疑似体験ができるような店づくり・工夫がなされているのだ。
まさかの「一大さぬきうどん」ブーム到来 丸亀・はなまる設立に、どう影響した?

香川県における「讃岐うどんブーム」のきっかけとなったのは、地域情報誌「タウン情報かがわ」で1988年12月に連載を開始した連載「ゲリラうどん通ごっこ」だ。
この当時、香川県は「瀬戸大橋」で本州と結ばれたばかり。橋を渡って来県する観光客向けに、高値で讃岐うどんを提供する店が次々と開店したものの、郊外や路地裏には、家族で細々と経営するうどん店が、無数に存在した。
特に、地元の人々がサッとうどんを食べられるように、卸売メインの製麺所が軒先の空きスペースを改造して構えた「製麺所併設店」は、多量の来客をまったく想定していない、一見すると“怪しい”としか言いようがない店も多かった。
実際にあった店だと、普通車だとバンパーをこするような生活道の奥に店があったり、製麺機ヨコの数十センチのスペースを横歩きで移動したり、看板もない納屋から湯気が立っていて、扉を開けたら中で何十人もの地元の方がうどんを食べていたり……ただ概して、各店とも目から鱗が落ちるレベルで美味しいのは間違いなかった。

連載では、こういった店を「針の穴場」「ディープ」と位置付けて紹介。千差万別なうどん店・製麺所の存在は、県出身者揃いのタウン誌編集者はおろか、地元民でも近所の店以外、隣町の店すら知らなかったのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら