時価総額10兆円に向けて、大本社長は「戦略プラットフォーム型事業」への投資を拡大すると宣言する。この事業は何を意味するのか、医薬品販売事業の深掘りを通して探った。
「総合商社の枠組みを超えた価値創造企業となり、2030年度までに時価総額10兆円超えを目指す」
9月9日に開催された丸紅のIRイベントで、丸紅の大本晶之社長は投資家にそう見得を切った。10月27日時点で同社の時価総額は6.3兆円。今後5年間で1.6倍程度まで伸ばす計算だ。4月に大本社長が就任した時点で丸紅の時価総額は4兆円ほど。株式市場全体の高騰もあり、すでに時価総額は2兆円以上も上昇している。同期間の日経平均株価の上昇率と比較しても丸紅株の上昇幅は大きい。
総合商社では、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事の「3強」が時価総額でも先行する。三菱商事の15.1兆円を筆頭に、伊藤忠商事14.2兆円、三井物産11.2兆円と続く。大本社長の「10兆円宣言」は、商社3強に並ぶ存在になるとの意思表明に等しい。
1.2兆円を戦略プラットフォーム型事業に
時価総額向上のカギを握るのが、「戦略プラットフォーム型事業」だ。2月に発表された25~27年度の中期経営戦略では、3カ年で計1兆7000億円の投資を予定している。そのうち1兆2000億円を同事業に振り向ける計画だ。
では、「戦略プラットフォーム型事業」とは何なのか。



















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