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〈インタビュー〉住友商事が幾多の減損損失で得た教訓。「ナンバーワン事業群」「ニッケル事業」「バフェット後継者との対話」まで上野社長が語った

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住友商事の上野真吾社長
住友商事の上野真吾社長は、「新しい挑戦をやりながらも、自分たちに強みがあるど真ん中の事業に経営資源を投下していく」と語った(撮影:梅谷秀司)

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ニッケル事業をはじめ資源ビジネスで手痛い目に遭ってきた住友商事。過去の失敗を生かしつつ、中期経営計画で示した数字を実現できるのか。上野真吾社長に聞いた。

――2024年4月の社長就任と同時に始まった26年度までの中期経営計画は、「ナンバーワン事業群」の集積をテーマにしています。

「ナンバーワン事業群」を掲げたときは、誰が何をどうやって目指すのか社内外から質問が相次いだ。

悪いアセットをターンアラウンド(再生)させ、アセットの入れ替えも含めて構造改革をやってきた。一定の成果が出たため、これから飛躍的成長を目指していくぞと、そのマインドセットのきっかけとして掲げた。

会社全体でナンバーワンを目指すというよりも、各ビジネスラインで自分たちが定めるナンバーワンを狙っていき、それに対する戦略とKPI(重要業績評価指標)がある。

8事業を特定し経営資源を集中投下

――どのような事業群でしょうか。

まず戦略のど真ん中にあるのが、経験のあるところ、手触り感のあるところだ。デジタル、リース、ヘルスケア、建設機械、不動産を含む都市総合開発など8事業を特定していて、そこに経営資源を集中投下する。

中計では、投資枠1.8兆円の約8割を、われわれに強みがあり競争優位性のある事業に使っていく。初年度の24年度には7300億円の投資を実行した。大きいのが、SCSKを通じて買収したネットワンシステムズだ。7300億円の3分の1強(約2600億円)を充てた。

システムインテグレーターのSCSKと通信ネットワークの構築に強いネットワンとの経営統合で、日本にはあまりない事業形態に仕上がっていこうとしている。この分野ではナンバーワンにかなり近づいてきた。

9月にはアメリカの航空機リース会社の買収を発表した。世界1位に肉薄する保有・管理機材数がある。名実ともにナンバーワン事業だ。

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