過去の栄光に触れるのは「1年以内の実績」に限る…人気放送作家が自らに課す《ルール》の当然の根拠

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条件を厳しくしすぎだと思うでしょうか。でも僕は、むしろその決まりを破って過去の栄光を語り始めたときの自分を想像すると、ぞっとします。

どんなにすごい話であろうと、それが2年前、3年前のことだったとしたら?

僕が聞く側なら、それ以降この人は現在まで大した仕事をしていないんだな、と推察してしまいます。

ましてや10年前、20年前の話をされたら……。相手が誇らしげであればあるほど、痛々しさが増していきます。

「相手が知らない実績」のほうが好都合

あまりに直近のことだけに限ってしまうと、相手から「それ見たことあります」と反応してもらえるチャンスが減ってしまうデメリットもあります。

今、テレビで大きく展開しているキャンペーンに関わっていると言っても、「いやあ申し訳ない、最近テレビを見ていないので、存じ上げないんですよ」と返されてしまうことは、決して少なくありません。

でも僕は、相手が「知らない」くらいのほうが好都合だと思います。

自己紹介は、自分に対する相手の期待値を上げるために行うもの。まだ知られていないのであれば現時点での期待値はゼロで、あとは上げるだけです。

そこで、実はこのCMはどんな仕掛けになっているか、とか、○○新聞が取材に来て、といったポジティブな情報を投げていき、期待値の上昇を試みます。

関心を持ってくれる人であれば、そのCMについて僕に質問をしてきます。こうなると、将来的に良い関係を築ける可能性が高くなります。そこで、CMの資料や、取材された新聞・雑誌の記事を見せ、興味をさらに深めてもらいます。

そのうち相手も自ら調べるようになり、CMやキャンペーンの仕掛けの内容や、予算、期間などを聞かれることが増えてくるようになれば、僕の自己紹介は大成功です。

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