過去の栄光に触れるのは「1年以内の実績」に限る…人気放送作家が自らに課す《ルール》の当然の根拠

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スタジオから中継映像に切り替える際には、「それでは、先ほどはん濫危険水位を超えた○○川の△△橋付近から中継でお伝えします」などの「フリ」が入ります。

ちなみにフリとは、放送で本題に入るためのつなぎとなる前置き、導入を言う業界用語です。実はこれが、極めて重要な役割を果たしているのです。

試しに、テレビの災害報道を音声を消したまま見てください。何のフリもなく増水した川の映像を見せられても、特に危機感もなく「この泥沼はどこだろう?」と思ってしまうでしょう。

何気なく受け取っているフリが、実はそのあとに入ってくる情報のイメージを決定づけているのです。古ぼけた家の映像をただの空き家と感じさせるか、「江戸時代に建てられた幽霊がよく出るらしい屋敷」と感じさせるかはフリ次第なのです。

絶対に失敗しないデートの誘い方がある⁉

本題の前にフリをつける理由は、そのあとで出てくる情報にあらかじめ意味付けを行うことです。わかりやすく言えば、「期待感」を持ってもらうことです。

異性を食事に連れていく場合、「じゃあイタリアンでも食べる?」なんて誘い方は退屈ですし、そのレストランが本当に美味しいのであれば、もったいない話です。

「何を食べるか」という本題しか伝えていないため、ほとんど期待感がないのです。

「この近くにうまいイタリアンレストランがあるんだけど行かない?」なら、多少は改善されます。少なくとも美味しいというポジティブなイメージは伝えていますから。

でも僕なら、こんな言葉にします。

「この近くにすごく美味しいイタリアンレストランがあって、イベリコ豚のソテーが口に入れたら5秒でとろけるくらいの絶品なんですよ」

「この近くのイタリアン、女優の○○さんが行きつけの店らしいですよ」

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