ジョエル・ロブションが「すきやばし次郎」のカウンターで繰り出した《掟破りのリクエスト》の真意

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答え:酢めしだけの握りを注文した

ジョエル・ロブションは、横にいる山本益博にこう言ったのです。「上の魚はいらないから、ご飯だけで握ってもらえるよう頼んでくれないか」。酢めしだけを握ってもらいそれを口にすると、「美味しい。これは真似できない」と脱帽したそうです。

人並み外れた舌を持つ彼は2、3貫食べて、酢めしの美味さに気が付いた。その真髄を知るためには、上に乗った寿司ダネは邪魔だったのです。恐らく料理人として、酢めしを分析するためのリクエストだったのでしょう。

分析結果は、「自分には再現不可能」。後にジョエル・ロブションはすきやばし次郎のカウンターを「天国に一番近い場所」と絶賛しています。

「みなさん褒めてくださるのは魚のことばかりで、酢めしのことを言ってくれる人なんていませんからね。いやあ、すごい人です」。

これは、絶賛された側の次郎さんの弁です。以上は山本益博の著作に出てきたエピソードですが、一流と一流の間に静かな火花が散っているようで、何だかカッコいいです。

「一流を知る」ための唯一の方法は、「一流」に触れるしかありません。どんなものであろうと「一流」のお値段は決して安くはありませんが、これも人生経験と思って、清水の舞台から2〜3回飛び降りるつもりで経験すると、それが人生の宝になります。

「マグロ船の船長」に欠かせない意外な任務

マグロの鮮度を維持する薬の開発に携わっていたある会社員。会社から、ある日突然、「マグロ船に乗ってマグロのことを知って来い」と、理不尽な業務命令を受けてしまいます。

マグロ船の仕事は非常にハード。遠洋の魚場に着いたら、1日17時間の肉体労働が20日間続くことも……。1人でも多く人手がほしいところですが、船長はこの漁に参加しません。「偉いから」ではありません。実はもっと重要な任務があるのです。

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