独居老人が団地で閉じ込められ事件簿、住民が一致団結で救出大作戦!「どの部屋にどんな人が住んでいる?」知っていたから命が救われた
本題に入る前に、ここで少し住居の情報を整理しておきましょう。
母:エレベータのない団地の5階で一人暮らし
私:エレベータのない団地の1階で一人暮らし
弟一家:団地から徒歩15分の一戸建てに家族4人暮らし
私の実家はもともと、父・母・私・弟の4人家族でした。団地が竣工した1981年に入居したころは4人で住んでいた部屋を、今は母が一人気ままに使っています。

午後5時ごろ、母の部屋で鍵の閉じ込めが発生
田舎育ちで内気な母に華やかな人間関係は縁のないものでした。コロナ禍もあって、団地内のつながりも希薄になる一方です。
事件が起きたのは、2024年の12月27日。真冬の底冷えに耐えかねて、母はDKと廊下を隔てる扉のハンドルに手をかけました。少し引っ張ると「ぎぃ~~~~」という異音がします。「最近扉の調子が悪いなぁ。でも問題はないからこのまま使うとしましょう」。扉をぴったり閉じたくて、母はぐいとハンドルを引きました。
「カチャッ」とドアラッチが掛かる音がします。ドアラッチは扉が閉じた状態を保持する部品のこと。ドアハンドルを回せば引っ込み、ハンドルから手を離せば出っ張る、あの部分……いわゆる自動鍵の一種です。こんないつもの流れで二度と扉が開かなくなってしまうなんて、誰が想像できたでしょう。