暗殺される恐怖におびえるアフリカの独裁者たちと、彼らに「ボディーガード」を提供するロシア政府との持ちつ持たれつの関係

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古代ローマでは、支配者を守るはずの近衛隊が、支配者を倒す企てにしばしば手を貸した。最も悪名高いのは、おそらく皇帝カリグラの暗殺で、彼は西暦41年の祝祭のとき、近衛隊に殺された。

近衛隊は最終的に、カリグラの後継者の1人によって解体された。それでも、ボディーガードに裏切られる可能性は、現代の支配者にとって絶えず脅威になっている。

そのため、外国人を雇う指導者もいる。そのような護衛者は外国人であるために、クーデターを起こすリスクは小さいと見られている。なぜなら、国内政治にそれほど関心がないし、政権を運営するのに必要とされる正当性も持ち合わせていないからだ。

独裁者を守るロシアの準軍事組織

今日、この「サービス」への需要のおかげで、ロシア政府は独裁者(特に、アフリカの独裁者)の「保険外交員」となっている。

中央アフリカ共和国では、ロシア政府と緊密なつながりのあるロシアの準軍事組織ワグネルが、暗殺から政権を守るために使われていた。

たとえば、中央アフリカ共和国の2020年の選挙戦では、同国の大統領フォースタン=アルシャンジュ・トゥアデラをロシアの準軍事部隊が護衛しているところが見られた。

傭兵たちは、相手国の内部からの脅威に対して支配者を守るのと引き換えに、その国での採掘権や、実入りの良いビジネスチャンスを手に入れる。

ロシア政府はと言えば、アフリカに足掛かりを得て、それを使えば、金儲けができるばかりでなく、政治目標を推進し、たとえば、国連でアフリカ諸国にロシア政府の利害に沿って投票させることができる。

中央アフリカ共和国のトゥアデラ大統領や、彼のような指導者たちにとって、この取引がじつに魅力的なのは、ロシアの準軍事組織が3つの機能を果たすからだ。

すなわち、あまりクーデターのリスクを生じさせずに自分を守ってもらえるだけでなく、彼に対する謀略を巡らせているかもしれない人々への能動的な抑止力になるし、そのうえ、反政府勢力のような、国内のその他の敵たちに対しても利用できる。

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