プーチンの現実の見方を歪めてしまい、悲観的で被害妄想的な展望をもたせ、ロシアの外交政策を好戦的なものにしてしまった者たちの正体

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一例を挙げよう。2014年にウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が国外逃亡を望んだとき、プーチンは決定を下さなければならなかった。助けてやるか? それとも、ヤヌコーヴィチがウクライナで裁きを受けるのを許すか?

ウクライナでは、彼の政権は何十人もの抗議者たちの死に対する責任があった。ロシア政府がどの道を選ぼうと、同国の外交政策に多大な影響が及んだことだろう。

それは、政治的・経済的・軍事的問題だった。決定を下すにあたって、プーチン大統領は会議を開いた。夜を徹して行われたその会議は、翌朝7時まで続いた。

だがプーチンは、この問題を多角的に理解しようとする代わりに、軍人や諜報関係者、つまりシロヴィキの話に耳を傾けた。そして、会議の終わりに宣言した。「我々はクリミアをロシアに取り戻す作業に取り掛からなければならない」。

危険なフィードバックループ

このようにシロヴィキに過度に依存したために、政治学者のセヴァ・グニツキーとアダム・ケイシーが以下のように説明するフィードバック・ループが生じた。

大統領の顧問たちは揃って、西側をロシアに対する安全保障上の重大な脅威と見ており、その影響で、プーチンはしだいに好戦的な態度を取るようになる。するとアメリカとヨーロッパはそれに刺激され、ロシアへの対抗姿勢を強める。

そして、それはプーチンのタカ派の悲観的でしばしば被害妄想の展望を正当化することによって、彼らの影響力を強めるばかりだ。その部分的な結果として、ロシアの外交政策は、時とともにいっそう好戦的になった。

(翻訳:柴田裕之)

マーセル・ディルサス キール大学安全保障政策研究所客員研究員

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Marcel Dirsus

ドイツのキール大学安全保障政策研究所の客員研究員。オックスフォード大学で学び、反政府武装勢力によるクーデターが未遂に終わった2013年にはコンゴ民主共和国で働いていた。政治をテーマとするニュースレターのThe Hundredを執筆し、NATOやOECDといった主要な財団や国際組織に助言を与えてきた。

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