「マムシより危険?」「よくいるヘビだが、過去に死亡事故も」意外な“最恐ヘビ”《ヤマカガシ》の正体…最新研究でわかった“驚きの事実”
ヤマカガシの色彩は多様で、地域が変われば生息するヤマカガシの体色の傾向は異なる。「赤い模様のヘビ=ヤマカガシ」という常識はほかの地域に移れば通用しない。
無毒のヘビと思って手を出したら「実はヤマカガシだった」ということもありうる。
「ヤマカガシと知らず触っていた」事故も減らしたい
さて、「ヤマカガシ体色プロジェクト」のこれからについて聞くと、「多様性の周知」に力を入れていきたいという。
「将来的には地域の自然博物館などと連携し、自分の住んでいる地域にどのような色彩のヤマカガシがいるのか、といった情報を発信していきたいです。野外でヘビを見てもむやみやたらに刺激をしないこと、また万が一、噛まれた際には、病院にて適切な処置が行えるといった発信をしていくことも重要だと考えています」(福田さん)
「この論文の出版後、同僚や友人から『ヤマカガシと知らず不用意に触っていた』と言われ大変驚きました。そのような事故につながるような誤認を減らしたい。日本語での解説から、色彩の多様性を周知していきたいです。
今後は、ヤマカガシの行動や生息環境、ロードキル情報、集団遺伝構造などの研究も進めていく予定です。また今回、市民データから色彩多型を決定する新たな仮説も生まれたので、ぜひ実証していきたいです」(細木さん)

ヤマカガシの体色を知り、遭遇したら適切な距離で接する。いきものの多様性を知ることは、とても楽しいことであり、自身や周囲の身を守ることにもつながるのだ。
※1 Goris R. Geographic variation in color and pattern of Rhabdophis tigrinus (Boie). Snake 1971;3:57–9.
Toriba M. Reconsideration of color patterns of Rhabdophis tigrinus in Japan. Snake 1992;24:16–22.
Sengoku S. Body color change of Rhabdophis tigrinus in Kiyosumi, Chiba, Japan. Kiyosumi 1977;6:7–10.
Sengoku S. Body color change of Rhabdophis tigrinus in Kiyosumi, Chiba, Japan. Kiyosumi 1977;6:7–10.
Toriba M. On the blue color phase of Rhabdophis tigrinus. Bulletin of the Herpetological Society of Japan 2002;2002:68–9.
Sengoku S. Body color change of Rhabdophis tigrinus in Kiyosumi, Chiba, Japan. Kiyosumi 1977;6:7–10.
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら