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「吉沢亮や横浜流星の好演だけじゃない」映画『国宝』の超ヒットを導いた《李相日監督の“背景”》

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  • 霜田 明寛 ライター/「チェリー」編集長
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これこそが、20億レベルの大ヒットから70億レベルの超ヒットになる一因となっているのではないだろうか。

これはあくまで私見だが、映画後半で主人公の喜久雄が窮地に立たされ、地方巡業に出た際にボロボロの姿で「どこ見てんねんやろ?」と言いながら舞うシーンあたりで終わったほうが、『悪人』や『怒り』に近い後味にはなったはずだ。

だが、むしろそうしなかったからこそ、より広い層に受け入れられる結果になったのではないだろうか。

主演の吉沢亮(写真右)とやりとりする李監督(写真:『国宝』公式Xより)

蒼井優と吉沢亮に“課せられたもの”の共通点

次に『フラガール』との共通点を見てみたい。

『フラガール』は、当時大手配給会社の作品ばかりが受賞していた日本アカデミー賞において、シネカノンという独立系の配給会社が最優秀作品賞を受賞し、日本映画界に風穴を開けたといってもいい、画期的な作品である。

李監督もこの作品で広く名を轟かせることとなった。

福島県いわき市に実在する「常磐ハワイアンセンター」(現・スパリゾートハワイアンズ)のフラダンスショーを映画の中で再現し、大きな感動を呼んだ。

蒼井優や南海キャンディーズの山崎静代など、フラダンス未経験だった俳優が特訓し、見事なダンスを披露したことも当時話題となった。

そう、この手法は実は、歌舞伎俳優ではない俳優たちをキャスティングし、スクリーンの中で歌舞伎を再現した『国宝』にも通じている。吉沢亮や横浜流星は1年半にわたって稽古をし、撮影に臨んだという。

フラダンスと歌舞伎、題材は違えど、実在するショーを、あえて経験のない俳優に訓練を課して、スクリーンの中のショーとして創り上げる。単なる再現ではなく、映画としての感動を作り上げるという手法はこの2作に通じるものなのだ。

そして、最後にテーマ性の部分である。ここで、李監督の原点を見つめてみたい。

『青〜chong〜』は、李監督の日本映画学校の卒業制作として作られたデビュー作だ。『ぴあフィルムフェスティバル(PFF)アワード2000』でグランプリを受賞した、李監督の映画界への第一歩と言っていい作品である。

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【「やめたいか、朝鮮人?」】

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