夏でも人気の編み物、「モバ編み」「編み会」…広がる“編み物の輪”。注目の編み物作家・もちだあかりさんが語る「新しい編み物のかたち」

最近では、海外の手芸系YouTuberやインスタグラマーの影響もあり、車の中やビーチサイド、森の中など、思いもよらない場所で編み物をする投稿も増えてきました。場所に縛られず、自分のペースで楽しめる手仕事として、「モバ編み」の世界はどんどん広がっているようです。

編み物は、完成までに時間がかかるからこそ、その過程をじっくり味わう手仕事です。モバ編みは、そんな「つくっている時間」そのものを楽しむスタイル。忙しい日常のなかで、自分の心を整える“マイペースな手仕事”として、多くの人に受け入れられているのではないでしょうか。
「編み会」という"やさしい"つながり
もう一つ、最近注目しているのが「編み会」という集まりです。
編み会とは、編み物が好きな人たちが集まり、それぞれが自分のペースで好きなものを編みながら、自由におしゃべりしたり、情報交換をしたりする交流の場。
教室のように先生がいて何かを教わるわけではなく、自然と会話が生まれ、ときには誰かと教え合ったり、アイデアをシェアしたりする。そんな“フラットな場”です。

「編み会」と聞くと、昔ながらの「手芸サークル」を思い浮かべる方もいるかもしれません。でも、今の編み会はもっと自由でカジュアルな雰囲気。
カフェや公民館の一角で開かれるものから、Zoomを使ったオンライン編み会、公園でレジャーシートを広げての屋外編み会まで、スタイルは実にさまざまです。SNSで「#編み会+地域名」で検索してみると、思いがけず自宅の近くで開催されていることに気づくかもしれません。
実を言うと、私はまだ編み会に参加したことがありません。「行ってみたいな」と思っているうちに、タイミングを逃してしまって……。でも、SNSで流れてくる編み会の様子を見るたびに、「やっぱり参加してみたい」と思う気持ちが強くなっています。
家庭を持ち、子育てが始まると、新しく友達をつくる機会って本当に少なくなるんですよね。そんななかで、編み物をきっかけに出会い、静かに手を動かしながら気負わずおしゃべりができる時間。そんなひとときがあったら、きっととても素敵だろうなと思います。
最近では、個人が主催する小さな編み会から、企業が企画する大規模なイベントまで、編み会のスタイルはますます多様になっています。でも、どんな編み会にも共通しているのは、「編み物が好き」という一点だけ。
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