「IR推進とオンラインカジノ摘発の二重基準 」有名人逮捕で問われる、日本のギャンブル政策の矛盾

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統合型リゾート(IR)の中に限って、特例的に賭博を認めるものだ。カジノは、国際会議場・展示施設・商業施設・文化施設などを含む複合施設の一部という位置づけで、依存症対策とカジノ管理委員会による審査と管理を通じて違法性を阻却しようとしている。

しかし、反発も大きい。長崎県(佐世保市ハウステンボス)、和歌山県、北海道、横浜市、沖縄県などで検討されてきたが、住民の反発、推進する首長の交代、議会の反対などで計画が進まず、現在、正式にカジノ(IR)の設置が認定されているのは大阪の夢洲の構想のみだ(長崎県については国が不認定)。ギャンブルを観光資源にしようとすること自体に対する反発は大きい。

パチンコはギャンブルではないのか

一般人に一番身近なギャンブルと言えば、パチンコだろう。当然、民間の経営なので、禁止となる賭博(ギャンブル)に映るが、パチンコは遊戯とされているので合法なのだ。実際にはギャンブルとしてパチンコをする人も多いが、それが現状許されているのは、パチンコは、法律上は警察(公安委員会)が所管する「風俗営業法」に基づく「遊技場営業」に分類されているからだ。

つまり、「現金を直接賭ける賭博」ではなく、玉を使って遊ぶ娯楽行為という形式になっており、法的にはギャンブルではないとされている。したがって、パチンコで得た出玉(玉)は店内で現金と交換されるのではなく、景品と交換される。

それにもかかわらずキャンブルに利用されているのは、 換金は別の店(景品交換所)で行う三店方式があるからだ。三店方式とは、①パチンコ店は出玉を景品に交換、②景品交換所(近くにあるが別法人)が景品を現金と交換、③問屋業者(景品を買い取る業者)が景品をパチンコ店に再販売するシステムだ。

この方式により、パチンコ店は直接「換金していない」、換金を行っているのは「第三者」ということとなり、法律的には「賭博ではない」形になっている。

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