非平時での国から地方自治体への一般的な指示権はどう運用されるのか。行使後の事後検証も重要だ。
3月1日に閣議決定された地方自治法改正案では、非平時における国から地方自治体への一般的な指示権が規定された。これをめぐり、地方分権化の流れに反するとか、国の指示が濫発されるのではないかといった批判が、巻き起こっている。
個別法では、災害対策基本法や新型インフルエンザ等対策特別措置法、武力攻撃事態対処法などで、すでに国の地方自治体への指示権が規定されている。一方、今回の地方自治法改正案ではとくに類型を定めず、指示権が規定された。では、いったいどのような事態が非平時であり指示権の行使が必要となるのか、という疑問はやはり生じる。
現実にはこれといった事態が想定されているわけではない。もし具体的に想定されるのであれば、個別法を新たに制定して対処すべきであり、地方自治法で「一般的」な指示権を行使すべきではないということになりそうだ。
だが、こうした発想は、非平時という異常事態を平時から想像しようとすると生じがちだ。考えるべきなのは、非平時そのものを想定しながら、必要な法的な対応とは何かという視点である。
非平時対応担った地方総監府
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