司法制度をめぐり政治的対立が深刻化する台湾。権力分立が岐路に立たされている。

台湾世論を分断し、大規模な抗議運動や議会での乱闘まで起きた「法案」に司法判断がくだった。
台湾の憲法法廷は立法院(国会)で野党が主導した国会改革法案について10月25日に一部合憲、一部違憲の判決を下した。7月には一部条項の適用停止の仮処分を先に出していたが、法案が立法院を通過して約5カ月経って司法判断がようやく下された。
国会による監督権限範囲を明確に
問題となった国会改革法案は、立法院による調査権や政府機関の人事同意権の強化のほか、総統による立法院での「国情報告」と質疑応答の定例化、答弁者の回答拒否・反問の禁止、そのほか虚偽答弁などを国会軽視罪とする刑法の新設が盛り込まれていた。国会の権限を拡大する内容で、政権与党は違憲だとして反発し、司法院に違憲審査を求めていた。
10月に下された判決の核心は、立法院の行政権に対する監督権限の範囲を明確に限定したことにある。具体的には国会改革法案で焦点となった項目にそれぞれ以下のような判断が下された。
記事全文を読むには有料会員登録が必要です。
(残り 3387文字 です)
【9/30(火)まで】 年額プラン2,000円OFFクーポン 配布中!
詳細はこちらから
無料会員登録はこちら
ログインはこちら