映画『国宝』『鬼滅の刃』ヒット映画の上映時間が“超長い”理由 年間60本映画館で鑑賞する私の、長時間映画を快適に見る「基本のキ」も紹介
そして、大事なのは、いったん席についても、もしトイレの不安を少しでも感じたら、迷わず席を立つこと。心配な人は、本編前の予告編は10分以上あるので、そこで行っておくといい。
上映中も同様。我慢して集中力を削ぐよりも、全力疾走でトイレに向かったほうがいい。それにかかる時間はわずか数分。筆者は1分かからず舞い戻った実績があるが、ストーリーに置いていかれることはほとんどなく、そのあとの映画体験には雲泥の差がある。
まとめると、トイレ対策は通路側の席を取ることと、事前の対策で安心感を得ることがなにより大事だ。そして、もしトイレに立っても、誰にも迷惑をかけず、映画もちゃんと楽しめると頭に入れておくこと。そうすれば、長時間映画でも余計な不安を抱えることなく観に行けるだろう。
もうひとつ加えると、睡魔との闘いでのドリンク摂取は、トイレ対策も合わせると1回ひと口。口に含んでから飲み込む。前半はできるだけ飲む量を控えめにすると、気持ち的に楽になる。
これからの時代は3時間の映画が増える

前述の通り、昔に比べて映画の上映時間は長くなっている。4〜5時間の作品であれば、演劇のように休憩が入るだろう。しかし、世界観に没入させることで観客を楽しませる映画というメディアでは、監督をはじめクリエイターは、流れを断絶する休憩を入れることを望まない。
かつて、1954年の『七人の侍』(3時間27分)、2009年の『沈まぬ太陽』(3時間22分)、2008年の『愛のむきだし』(3時間57分)など3時間を超える映画にはインターミッション(10分ほどの劇中の休憩時間)があった。しかし、前述の今年のどの作品にもそれはない。
逆にいえば、昨今の製作者は、休憩を入れなくても観客がギリギリ大丈夫という尺で映画を作っているのだろう。であれば、これからの映画が極端に長くなることはなくても、休憩なしの3時間前後がデフォルトになってくる可能性はある。そこからは、今年のように大ヒットが続いているからだ。
なら配信で観るからいい、という観客も少なくないだろう。それでも、今年の話題作のように、映画館でこそ、その醍醐味を存分に味わうことができる映画もある。映画を観る楽しみへの扉を閉ざすのではなく、対策をしながら気持ちを楽にして楽しんでみてはどうだろう。きっと人生がより豊かになるはずだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら