映画『国宝』『鬼滅の刃』ヒット映画の上映時間が“超長い”理由 年間60本映画館で鑑賞する私の、長時間映画を快適に見る「基本のキ」も紹介

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遡ると、80〜90年代は1時間〜1時間半の映画を2本上映する「2本立て」が主流だった。DVDレンタルが一般的になった90年代後半からは、そのパッケージ容量に収まる2時間〜2時間半の映画が多くなる。

そして、配信時代に突入した現在は、メディアによる尺の制約がなくなり、3時間前後の映画が増えている。

昨今の長時間化の背景には、大手映画会社の「作品主義」への傾倒があるだろう。動画配信サービスが作家性の高い作品を量産して話題になり、映画賞を席巻するなか、かつてのビジネスサイド主導の商業主義から、クリエイティブを重視する製作方針へと移り変わってきている。その結果、クリエイターのこだわりが反映され、尺の制約を受けない映画は長くなる。

国宝ポスター
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

今年のヒット作を見ると、すべてがそうではないものの、社会的な話題作は前述のような長時間作品が占めている。

昔は映画は2時間でも長いと言われた。2000年代にはそれが一般的になり、最近は3時間が当たり前になりつつある。

日本経済新聞の記事によると、2023年の世界興行収入上位30作品の平均上映時間は132分であり、10年前と比較して13分長くなっているという。体感としては、2025年はさらに長くなっていそうだ。

睡魔対策の炭酸ドリンクと果汁グミ

東急歌舞伎町タワー
長時間映画を快適に見るための「基本のキ」を紹介する。写真は東急歌舞伎町タワー。高級感を打ち出した「109シネマズプレミアム新宿」がある(筆者撮影)

年間60本ほどを映画館で鑑賞する筆者は、3時間前後の長い映画を観る際に、しっかりと作品を楽しむための「基本のキ」がある。

まず眠気対策は、前日夜からしっかり睡眠を取ることは前提とし、午前中の上映回を選ぶ。人によって異なるが、自分が1日のうちの頭が冴えていると感じる時間帯の上映にするとよい。筆者の場合は午前中か午後いちばん。午後の場合は昼食を摂らずに行く。

それでも睡魔に襲われたときのためのドリンクは必携。シネコン売店で、「氷少なめ」のリクエストで炭酸ドリンクを購入。上映中にまぶたが重くなったら、炭酸のパンチで覚醒させる。氷が少ないほうが時間が経っても味が薄まらないが、冷たさを持続させたければ、そのまま購入するといいだろう。

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