「ランチ1人2100円~」でも大盛況!象印マホービンが運営する「米が美味すぎる食堂」。連日満席を実現した4つの仕組み化

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疑問を抱えながらも眼の前の仕事に追われていた2020年、新型コロナウイルスの影響で客足が途絶える。緊急事態宣言の発令で臨時休業も余儀なくされ、一気に赤字経営に転落したが、時間ができた。

北村さんがそのときからスタートした、課題解決のための「仕組み化」による改革が、後に食堂を成功に導くことになる。

象印御前
象印食堂で提供されるメニューは、すべてごはんを中心に組み立てられている(写真提供:象印マホービン)

詳細は後ほど解説するが、その前に1つ、筆者は気になることがあった。なぜ象印はコロナ禍、赤字になった飲食業を畳もうとしなかったのだろうか。

1つは、これまでも説明してきた通り、「飲食事業単体で黒字を出すというより、炊飯器の体験をしてもらうセールスプロモーションの場だった」からだ。また、経営企画部の役員が、経営会議のたびに矢面に立ち、飲食事業でのPRの価値を伝えてくれていたのも大きかったという。

さらには、本業の家電事業がコロナ禍、「巣ごもり需要」の影響で、壊滅的な打撃を受けなかったことも大きい。家時間を充実させるホットプレートや加湿器などの売り上げが伸びたのだ。

2018年からの業績推移を見ると、売上高は2018年から2020年まで減収が続いているが、2021年から回復。2024年には872億円となり、2025年は900億円を予想している。一方、営業利益は売上高に比べて変動が大きく、2022年に46.6億円まで落ち込んだものの、2023年から明確な回復基調に転じている。

グラフ
売上高、営業利益ともにここ数年は好調が続く/筆者作成

ごはんの魅力を伝えるための「4つの仕組み化」改革

コロナ禍から北村さんがはじめた「仕組み化」による改革は、大きく4つある。順番に見ていこう。

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